一瞬を辿る (ページ12)

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#12 ページ12

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「…なら、私ができることは、」

私は過去に戻ってきた。色々とよくわからない点はあるが、これが夢じゃないならそれは確実だろう。そして私には未来から持ってきたこの日記がある。これを神様からのチャンスだと考えよう。

私は戻ってきた今、絶対に大我を死なせない。

この日記をうまく使って、あの日大我が事故に合う未来を変える。

ただあの日私が家から飛び出さなきゃいい話だとは思うけど、でもそんな簡単ではなさそうな気もする。もし大我があの日に事故に合うことが運命だったとしたら、それってそう簡単に変えられるものではないから。

まずはあの日言い合いをする要因を消せばいい話。

別れることが一番手っ取り早いのは分かっているけれど、大我を守ることと同じくらい、私はあのときの大我の「もっと言えばよかった」って言葉の真相が気になる。ここで大我から離れちゃいけないような気がするの。

…もし本当に大我が私のことを好きでいてくれていたんだとしたら、大我が今まで冷たい態度を取っていたことに理由があるなら、その真相も私は知りたい。

「きっとうまくいく、大丈夫」

震える手をグッと握る。

あの光景を思い出すだけで震えが止まらないけど、それでもチャンスがある私が行動を起こさなきゃ何も変わらない。

期間は8ヶ月。大我を救えるのは私だけだ。

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