嫌 い に な れ た ら 楽 な の に 、２

#83 -taiga side- ページ33

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「かっけえな、松岡さん。」


「そうなのよ、松岡は成瀬さんのことになるともう男前になんのよ。」


「俺の彼女ね？自慢の彼女ね？」









いなくなった途端、いつもどおりの騒がしさに戻った俺ら。


俺はそれを眺めながら、頭の中でぐるぐる考えて。


ちゃんと話すべきなのは分かってる。結果的に避けてしまったこと、何が理由だったのか。




…でも、言ったところで俺らはどうなるんだろう。


俺は勿論、Aのことが好きだから、また付き合えたらと思っている。


でもAは、どう思っているのか。


全て話して幻滅されたりしたら、そうしたらもうAとは関われなくなるだろう。


…だけどそれで、また言わないまま仲良くなっていくのは今までと同じだから。だから、もう考えすぎずに行動するしかない。









『分かったフリして都合のいい人になるなんて、もうできない。』


『大我くんが、また何も教えてくれないなら、』




『私は大我くんとは関わらないから。』









「っ、」









Aにどれだけ我慢させてしまっていたんだろう。


それに、Aがなにか聞きたげにしている事は分かっていたのに、気づかないふりをしていた。




酷いことをしていたのは俺だけど、我儘なのは俺が一番わかってるけど。


それでも、Aとまた笑顔で一緒にいられる日が来てほしいと願ってしまっている自分がいた。



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