#99 -past story of taiga side- ページ49
.
『きょも、よくないよ。意地張ってたら、何も変わんないよ。』
『…分かってる。』
『いや、分かってないよ。Aちゃん、きっと傷ついてる』
『…』
『そろそろ大我が素直になんないと。』
『…ん、』
『見栄張ってんの、自分が思ってるよりださいかんな。』
『…』
俺が一目惚れしたときも、付き合えたときも、初めてデートしたときも。
報告したら、自分のことのように喜んでくれたのはこいつらで。
だからこそ、自分のことのように考えてくれる５人をもう悲しませたくなかったのに、それ以上にA自身を傷つけたくなかったのに。
どんどん自信はなくなっていって、もうAに話しかける勇気もなくなってしまって。
それでも見捨てずにずっと一緒にいてくれた彼らに甘えていたら、ある日の昼休み、慎太郎がいつになく苦しそうな顔をして屋上にやってきた。
隣で北斗も、顔を歪めている。
『どした？』
一番兄貴気質な�眞呂�話しかけると、慎太郎は更に泣きそうな顔をして。
ポツリポツリ話し始めた。
『俺、きょもの力になりたくて、成瀬さんに聞いたんだ。』
『…』
『彼氏とか好きな人とかいるの？って。』
心臓が嫌な音をたてる。
痛いくらい激しく鳴って、その音で頭の中がいっぱいになって。
慎太郎は、涙目になって言葉を続けた。
『そしたら、そしたら、…っ』
『…』
『…「もう、彼氏はいないよ。」って、』
なんとなく予感はしていた。
そりゃそうだ、行動することに怯えて自分勝手に避けて。そんなことをされて、付き合ってるなんて思えなくなったんだろう。
ああ、終わってしまったんだなって思ったら、涙が自然と溢れてきた。
.
#100 -past story of taiga side-→←#98 -past story of taiga side-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2037人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴宮(プロフ) - なっちゃんさん» 嬉しいです🥺 不器用な2人が今後どうなるのか、ぜひ最後まで見届けてあげてください笑 これからも頑張ります！🙌🏻 (2022年8月7日 21時) (
レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 続きが気になってしょうがありあせん！いつも心の中でうわーとか不器用すぎるだろーと叫んでいます！頑張ってください！応援しています！ (2022年8月6日 17時) (レス) @page29 id: 14f73ed980 (このIDを非表示/違反報告)
飴宮(プロフ) - akikumaさん» コメントありがとうございます！もどかしい思いをさせてしまって申し訳ないです😂 更新頑張ります🫡💕 (2022年8月3日 20時) (レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめてコメントさせてもらいます！いつも楽しく読ませてもらっています。2人の距離が…もぉー！って心で叫んでます笑 少しいい感じになったと思ったら、すれ違って…もう続きが気になります！！更新楽しみにしてますね！ (2022年8月3日 19時) (レス) @page27 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
飴宮(プロフ) - えみりーたさん» ご指摘ありがとうございます。すみません、間違いです！直しておきますね (2022年8月3日 14時) (レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴宮
| 作成日時：2022年7月27日 21時
