桜が降る夜は３ (ページ23)

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「夏未…」

「お疲れ、A」

夏未は外に出て待っていてくれたみたいで。

腰に手を当てて、とびきり優しい顔をした夏未が、私の目の前にいる。それだけでとても安心できた。

泣き腫らした目をしながら、何も考えずに夏未に飛びつく。

「頑張った頑張った。話聞くから入りな。」

「ありがと…」

いつだかに似た光景。

確か、彩ちゃんとその取り巻きに呼び出されて色々言われちゃったときも、こんな感じで夏未に慰めてもらった。

夏未に手を引かれて教室に入ると、そこには夏未だけじゃなく、彩ちゃんや樹の友達の京本くんと高地くんがいた。

そして、皆が囲んでいる寄せ集められた机の上にはお菓子やジュースが並べられていて。

「え、なんで、」

「どっちに転んでもAは私のとこに来るだろうなって思ってたから。準備してたらこいつらがきた。」

「ねえ、夏未！こいつらってなに！」

「関係ないわけじゃないでしょー、俺ら樹の友達と元カノだから。」

「邪魔者みたいに言うじゃん、俺一応彼氏だよ？ひっでえ笑」

「ねえきょもくん、私が元カノって話出すのは気まずいからやめて！！」

「…あー、うるさい。だからやだったのに。」

「ふふ、いいじゃん。騒がしい方が楽しいよ。」

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