#133 ページ33
.
「でも、結局彩に無理させてて、Aのことも傷つけた。」
「…」
「よく考えれば分かることだったのに、冷静になれなかった。ごめん。」
「…うん」
じゃあ、彩ちゃんが”私の我儘だったの”って言ってたのって、こういうことだったんだ。先輩が言ってた誤解って、こういうことだったんだ。
てことは、樹は始めから彩ちゃんのこと好きで付き合ってたわけじゃなかったってこと？
「最低。最低だよ樹。」
「うん、わかってる。」
「…でも、そんな樹でも好きなんだもん。仕方ないよね。」
樹は目を見開いた。
全部本心だよ。こうやって私に気持ちを伝えてくれたならそれでいいって思っちゃう。恋は盲目って言うけど、ほんとそういうこと。
樹が悪いと思ってるんだったら、反省しているんだったら、それ以上私が咎めることもない。
「…ありがとう。」
「うん、樹、もっかい言って。」
「え？」
「Aが好きって、言って。」
ふは！と目を細めて笑う樹。
その顔が好き、その笑顔が大好き。
「Aのこと好き。大好き。」
「んふ、うん。」
「なんだよ、ニヤニヤして笑 Aは？言わないの？」
「えー、どうしようかなぁ笑」
待ってそれはずるい！って騒ぎ出す。
最終的に私のこと好きって言ってくれるなら、もうそれでいいの。どんなに傷ついても、どんなに苦しい思いをしても。そのくらい、樹のことが好き。
…まあ、これからなんかあったら、私には強い味方たちがいるし？笑
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1852人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴宮
| 作成日時：2022年9月11日 17時
