嫌 い に な れ た ら 楽 な の に 、

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「さ、帰ろー！」









夕方になって、一緒にご飯も食べようかって話にもなったんだけど、結局それはなしになった。


でも、まだ冬だから、夕方とはいえ外は真っ暗。


ちょっと怖いなあなんて思っていたら、田中くんからこんな一言が。









「誰か、成瀬ちゃんと紀苺ちゃん送ってって。」









え、いいのに。


そう思っていたら、紀苺と松村くんが言った。









「私、松村と方向一緒だから。」


「うん、俺が送ってく。」









え、え、なにこの流れ。


誰も私のこと送りたがらないでしょ。


そう思っていたら、









「俺、Aと方向一緒だから送ってくわ」









そう言ったのは、大我くんだった。


気まずい、気まずいよ流石に。そりゃ中学一緒だから方向も一緒だし、嬉しいんだけどさ。けど、帰りになに話すの？




そんな事をぐるぐる考えていたら、いつの間にか私が返事をする前に、大我くんが私を送ることで決定みたいな流れになっていて。


ここで、嫌ですなんて言ったら超絶失礼だし。


どうしようって思って紀苺の方を向いて助けを求めたら、『頑張れ！』みたいな顔された。




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