嫌 い に な れ た ら 楽 な の に 、

#26 ページ26

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「なんなの、ほんとに。」


「…」


「意味分かんない。なんで森本くんがそんな事言うの。」


「そうね。」


「大我くんだって、無視したくせに避けたくせに。今更似合ってるだなんて、ほんとおかしい。」


「はいはい。」


「直接言えよ、ばーかばーか」









顔を真っ赤にして、いつもあまり喋らないくせに饒舌になって。そんな私を見て、面白おかしそうにケラケラ笑っている紀苺。


あのあと紀苺が帰ってきて、様子のおかしい私を察したのか、勉強するはずだった放課後を話を聞いてくれる時間に使ってくれた。









自分でもわかってる。嬉しいくせに、意地張ってるって。


きっと紀苺もそれを分かってて、黙ってる。









「何となく分かるでしょ。」


「…なにが？」


「京本くんがAを避けた理由。」


「え？全然わかんないけど。」


「私は何となく分かる。」









分かってるなら教えてよ。


それを目で訴えて、ジトッと見つめる私に、言い放った。









「理由は別にわかんなくていいよ。でもね、」


「…？」


「京本くんは、まだきっと、あんたのこと好きでしょ。」


「…は？」




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