恋人以上、 (ページ19)

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シャワーを終えて、腫れた目を冷やし、いくらか体がスッキリして気分も落ち着いてきた。

まだ、いつもなら起きていない時間。

薄暗い空が珍しくて、ベランダに風を浴びに出た。

柵によりかかりながら、目を閉じて街の音を聞く。しばらくその体制で、昨日のことを考えていた。

「もう、潮時…かな。」

離れるチャンスなのかもしれない。

せっかく冷やした目が、涙で濡れていく。

私が見てきたいろんな北斗くんが、頭の中をぐるぐるしてる。

助けてもらって、私はたくさん救われて、好きになって。…たくさん苦しんで。

もう、いいよね。

「全部、…終わりに、しよう」

終わりにしたいのに、なんでこんなに涙が止まらないんだろう。

自分でも気づいてなかったくらい、彼のことが好きだったんだよね。

私、北斗くんがいなくなっても、うまくやっていけるのかな。

そこは、ちゃんとしなくちゃだよね。

お疲れ様、私。

ほんと、ここまでよく頑張ったと思う。

曖昧な関係は、これでおしまい。

「…お腹、すいたな。」

昨日の昼から何も食べてない。

いつもより、ちょっと豪華な朝食にしよう。

会社も休んじゃおう。

有給、今年に入ってちゃんととってなかったもんね。

自分なりに、前向こう。

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