名医×OL 1st season

宮田、倒れる2＊ ページ31

藍沢side


病院に着くとすでに白石たちがストレッチャーを準備して待機していた。


白石たちに状況を説明しながらAを初療室に運ぶ。
今日の当直は白石と緋山だった。


緋山「うわ、顔白いね。頭痛はないんだっけ？」

藍沢「本人はそう言ってる」

白石「鉄欠乏性貧血かもしれない」

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「んー…」

藍沢「A」

「……耕作」


俺の顔見てすぐに目をそらしたA。
そんな彼女を見つめたまま


藍沢「症状はいつからあった」


と聞いた。

鉄欠乏性貧血は突然起こるものではない。
少なくとも倒れる程酷かったということは、かなり前から立ちくらみや息切れ、全身の倦怠感もあったはずだ。

黙ったままのAを見て大きく息を吐いた。


藍沢「……隠された方が迷惑だ。帰って倒れてるお前を見たこっちの身にもなれ」


Aが症状を隠していたのは俺に迷惑をかけないための思いやりだろう。

だが隠されていたのは辛い。
そして、気付けなかった俺自身に一番腹が立つ。


「ごめん……。却って心配かけた」


俯いたままそう言ったA。反省しているらしい。


藍沢「何かあるなら言え。……倒れてるお前を見るのは、辛い」

「うん…」


敢えてはっきり言うのはAの性格上、同じことを繰り返しそうだからだ。

俺の言葉に相当落ち込んだらしいAを見て、そろそろ良いかと息を吐いた。


まだ顔色は悪い。もう少し寝かせるかと布団を被せてやると目を瞑ったままAは話し始めた。


「……倒れて、体に力入らなくて不安だった所に耕作の声が聞こえてきて、凄く安心した。…心配かけて、ごめんね」

藍沢「もう謝るな。お前も散々俺に"悪い"って言わないでって言うだろ」

「……あはは…そうだね。…………耕作、ありがとう」


微笑んで言ったAはそれからすぐに眠ってしまった。






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作者ZONE

いちか様、リクエストありがとうございました！

藍沢先生は心配だからこそ厳しいこと言いそうだな、と勝手に想像して書いた今回のお話、気に入って頂けますと嬉しいです(^^)

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