名医×OL 1st season

藍沢の忘れ物 ページ12

貴方side


「んー、寝過ぎた…」


今日はお休み。
もちろん、耕作はお仕事です。


とりあえず顔を洗ってリビングに戻ってくるとテーブルの上にある茶封筒が目に入った。

茶封筒には"翔陽大学附属北部救命センター"と書かれている。
耕作のだ。


「…これ、ここにあっていいのかな？」


患者さんの資料だったらまずいから開けることは出来ない。

とりあえず耕作に連絡しよう、そう思ってスマホを手に取ると、


「あ…」


耕作からの不在着信があった。
耕作が連絡してくることは殆どないから恐らくこの茶封筒のことだろう。

不在着信は丁度1時間前。

念の為折り返してみたけど案の定耕作が出ることはなかった。


「……届けに行こうかな」


ついでにコンビニで朝ごはんも買えるし。

・


・


・


・


・


・



簡単にメイクをして財布とケータイ、茶封筒を持つと家を出た。

元々耕作が住んでたマンションに私が越して来たわけで、病院には近い。
歩いて15分くらいだ。


佐藤先生を訪ねる際に何度か来たけど相変わらず大きな病院だ。

とりあえず、病院の前でもう一度耕作に電話をしてみた。


藍沢「俺だ」


ダメ元だったから耕作の声が聞こえて思わずびっくりしてしまった。


「ごめんね、電話出られなくて」

藍沢「いや、俺こそ悪かった」

「テーブルの上にあった茶封筒だよね？今、病院の前にいるんだけど、どこに持って来ればいい？救命の方まで行こうか？」


案内図を見ながらそう聞くと即答でやめてくれと言われた。

藍沢の忘れ物2→←宮田の惚気＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す