俺だけのお兄で居て欲しい (ページ14)

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樹side

北斗が委員会で先生に呼ばれて、俺は靴箱の前で一緒に帰ってくれる北斗を待っていた

下を向いてじっとしていると、ねぇと声をかけられて、

ゆっくり顔を上げると、そこにはこの前俺のシャーペンを取ったあの先輩が居た

その時の記憶はまだ鮮明で、俺は一歩後退りしてしまう

樹「な、なんですか、」

先輩「ちょっとこっち来て？」

樹「いや、あの……俺友達待ってるんで…」

先輩「すぐ終わるから」

断れない俺………

俺はただ後を着いていくしかなかった

なにされるんだろう……また何か取られるのかな

校舎の裏に来たところで、先輩はくるりと振り返って、その顔はだいぶ怒ってる様子で、

さっきより恐怖が増す

先輩「あんたさ、あたしがシャーペン取ったってチクったわけ？」

樹「へ？、いや、そんなこと…」

先輩「いや嘘つかなくていいから。あたし怒られたんだけど？内申点下げられてたらどーするわけ？てかどーしてくれんの？」

樹「そんな、こと、言われても…」

俺は先生にはチクッたりしてない

あ、違う………俺はお兄にこの事を言った…

お兄は俺に任せてって言ってた

樹「ぁ……俺、ごめんなさい…」

先輩「いや謝って済む問題？あの時あんた"どーぞ”って言ったよね？あんたがあたしに差し出したんでしょ？」

もうそこからは酷いもので、俺が一言謝ってしまったからなのか、ボロクソに暴言を吐かれた

挙句の果てには、先輩が受験に失敗したら俺のせいだとまで言われた

どうしようっ、そんなつもりじゃなかったのに……

焦ってしまって、ヒュっと喉が勝手に閉まって、途端に息が苦しくなってくる

やばいやばいと泣きそうになりながら必死に呼吸を直そうとしてると、北斗の声が聞こえた

北「樹っ！」

樹「ほく、とっ、…はぁ、」

北「過呼吸起こしてるから、俺の心臓の音聞いて？ゆっくり、俺に合わせて」