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ジェシーside
11時を過ぎた頃にようやく撮影が終わって、俺は寄り道せずに真っ直ぐ家へと急いだ
ジ「ただい__」
ただいまと言いかけて、誰かが過呼吸を起こしてる音がして、この家にいるのは樹だけなわけで
フラッシュバックが来てしまったのだとすぐにわかった
リビングに走ると、樹はラグに倒れて自分で自分を抱きしめるようにして、過呼吸を起こして震えていた
俺は樹の身体を抱き起こして、自分の胸に樹の耳を当てるようにして背中を摩る
樹「おにぃっ、はやく、ママたちがっ、…」
ジ「大丈夫だから、樹ゆっくり深呼吸しよ。俺の心臓の音聞いて?」
樹「はぁっ、は、…う、はぁ、」
ジ「俺の心臓の音だけを聞いて?ゆっくり、耳をすませて。そうそう、上手だよ」
だんだん落ち着いてきて、樹はぼーっと一点を見つめる
ジ「…落ち着いた?ただいま樹。過呼吸治すの頑張ったね」
樹「おれ…また、……」
ジ「大丈夫。怖かったね。もう俺帰ってきたから」
樹「……ん、…」
光を失った樹の目を見ると、俺も心が痛む
可哀想に……
傍に落ちていたライオンのぬいぐるみを取って渡してやると、ぎゅっとそれを抱きしめる樹
その軽い身体を抱えてソファーに寝かせて、俺は昼飯を作りにキッチンに向かった
ジ「樹、ご飯できたよ。今日は映画観ながら食べよっか!」
樹「うん、…ぁ、俺、お茶入れる…」
ジ「今日は俺が入れるから大丈夫だよ。樹さっきので疲れたでしょ?」
樹「……ぁりがと…」
後でちゃんと記録しとかないといけないな
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作者名:J.J | 作成日時:2021年8月17日 17時