お前の血は特別#1 (ページ50)

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樹side

ジ「…樹？」

樹「……痛み、は？…」

ジ「もう大丈夫だよ。治し方知ってたの？」

樹「…いや、前に聞いたことあって、一か八か…」

ジ「そうなんだ、ありがとね、」

本人はもうケロッとしてるけど、俺はそんなすぐに気持ちなんて切り替えられなくて、

なかなかジェシーの顔を見ることが出来ない

制服が汚れたこととか、どうでもいいんだ

俺はとてつもない恐怖を感じたんだから

ジェシーは体を起こし、黙ったままの俺を覗き込んできた

ジ「樹？」

樹「……ごめんっ」

ジ「へ？いやいや、樹なんもしてないし、なんなら治してくれたじゃん。」

樹「違うんだよ……俺がオンナを優先させたからだっ…あの時、言おうとしたんだろ？」

ジ「それは、そうだけど、」

樹「なのに、俺が聞かなかったからっ…朝聞くって言ったくせに、会いにいかなかったからっ、」

こんな後悔、初めてしてる

初めて、こんなに悔やんで、情けなさを感じて、ごめんしか出てこない

樹「ごめんっ…ほんとに、ごめんっ」

ジ「樹、大丈夫だよ？な？俺が鈍かっただけだからさ？」

樹「ううん、違うっ………お前が悪いわけがない、」

ジ「…………」

樹「俺、すげぇ怖かった……お前がいなくなりそうで、目の前で、真っ赤になって倒れてて、、血なんて見慣れてるはずなのに、、怖かったっ」

ジ「樹…」