お前の血は特別#1 (ページ46)

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ジェシーside

屋上に着くと、しっかり鍵をかけたこの人

この状態でも、既に俺の頭の中では来てはいけなかったと後悔の文字が浮かんでる

すると、そいつは俺に近づいてきて、俺は本能的に後ずさったけどやっぱり近くまで来て、

いつものようにすーっと鼻から息を吸った

そして今度はこう言った

「やっぱり、いい香りする」

ジ「…は？」

これが、出会ったばかりの樹の言葉と重なった

もしこいつがあの時の樹と同じ意味でそう言ったなら、つまりはこいつも、吸血鬼ってこと？

『お前が俺以外の吸血鬼から血を吸われたら、お前の体が拒否反応を起こすんだよ。』

そう、樹が言ってたよな…？

てことは、俺はこいつに血を吸われちゃいけない

……どうしよう

拒否反応がどんなものなのか、樹も分からないって言ってた

そんなの俺も知るはずがない

今、俺の目の前にいるこいつは、

出会ったばかりの樹のように、俺を食事として眺め、舌をぺろっと舐めた

やばい、

ほんとに食われちまう

俺はやっと硬直していた身体が解け、

逃げようとドアの方へと走ろうとした