赤が変えてくれた世界で#3 (ページ10)

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慎太郎side

ダンッ

ものすごい音がして、樹がぐったりと倒れている。

俺の脳は回転が遅すぎる。

今何が起こったのか、目の前で起きた出来事なのに把握出来ない。

でもそれは俺だけじゃなかった。

先輩達も呆然と立ち尽くして、ピクリとも動かず樹を見つめる。

そんな中、

ジェシーが樹の名を叫び、転げるように駆け寄って行った。

それを見てやっと、頭が働きだし、俺らも後を追うように駆け寄った。

ジ「樹ッ！樹ッ、おいッ！」

慎「ジェシーあんま動かすなッ！」

ジ「だって樹がッ…目閉じててっ」

慎「大丈夫だから！」

先輩「おいッ！お前どういうつもりだよッ！」

怒りに燃えた先輩が、樹に体当たりをしたヤツに殴りかかろうとした。

それは慌てた他の先輩達が止めてくれて、

先輩「俺先生と救急車呼んでくるっ」

慎「すみませんっ、お願いします」

俺らだけの練習試合だったから、先生は職員室まで行かないといない。

気を失っていて、全然動いてくれない樹に、俺らの不安はどんどん積み重なっていく。

とくに、、ジェシーは…

呼びに行ってくれた先輩は足が早く、何人かの先生を連れて戻ってきてくれた。