赤が変えてくれた世界で#3 (ページ9)

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樹side

樹「え、」

その時にはもう遅かったらしい。

一瞬ジェシーかなり俺の名前を叫ぶ声がして、振り返った瞬間だった。

その時やっとわかったんだ。

あの時の俺の嫌な予感。

体に衝撃があったと思ったら、ものすごくスローモーションで目の前の景色が流れていって、なぜか俺は宙を舞ってて、

そのまま壁に打ち付けられた。

樹「う゛ッ、」

息が出来なくなって、途端に暗くなっていく視界。

え、何、何が起こったの？

さっきの奴、

わかった。

思い出した。

なんで最初から気づかなかったんだろう、

アレは前まで俺を散々殴り続けてきたやつだ。

あの時笑ったあの顔。

やっぱりどこかで見たことあると思った。

退学になったはずの、アイツだ。

なんでここの高校にいるんだよ、

わけがわからないまま、

ジェシーの名前も発せず、

俺ら闇の中に引きずり込まれていった。