赤が変えてくれた世界で#3 (ページ8)

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ジェシーside

試合再開。

俺が樹にパスをした時、事は起こった。

樹が相手チームを交わして進む中、1人、違う動きをする奴がいた、気がした。

ドタドタと鳴る足音と、キュッというシューズの擦れる音。

それらが重なる中、樹がいっきに相手チームを抜こうとした時だった。

そう。

まるで樹に突っ込んでいくような動きをした奴が見えた。

あきらかに樹を見て、狙って、

身を屈めて、ニヤリと笑って。

やばい

そう思ったけど、そんなすぐに俺の体は動いてくれなくて、

やっと出せた声も樹に聞こえた頃にはもう遅かっただろう。

ジ「じゅりっ＿＿」

樹「え、」

瞬間的に振り返った樹だったが、

次の瞬間にはその体は宙に投げ出されていた。

まるで映画のアクションシーンのようにスローモーションで、そのまま壁に強く体をぶつけてしまった。

……え？

上手く状況を読み込めなくて、

全員が試合を忘れて呆然の立ちつくしてて。

だって今樹は、、

そいつから体当たりを受け、宙に投げ出されて壁に強く打ち付けられた。

やっと頭の中でその事実がまとまって、

汗がドっと出てきた。

そして、絡まる足を無視して転げるように樹に駆け寄った。

ジ「樹ッ！」