赤が変えてくれた世界で#3 (ページ50)

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慎太郎side

今日の樹は信じられないほどに静かで、ずっと一点を見つめていた。

まぁ、テンションが下がっていたのはクラスのやつら全員だったけど、

樹は特に酷かった。

まぁ…そうだよな、

俺も事態を全く把握できてないから、何が何だかさっぱりわからない。

わかろうとしても、できない。

皆でずっと樹の隣にいてやったけど、

やっぱりジェシーじゃないと樹を笑わせることは出来ない。

樹も大丈夫って笑ってくれるけど、

100パーセント無理してる。

慎「樹、樹、」

樹「はっ、ごめんっ！何？」

こんなふうに呼んでも呼んでも聞こえてないことが、今日だけで何度目だろうか。

慌てて、笑って、何？と聞いてくるのも、何度目だろうか。

慎「今日の部活、トレーニングだってよ。」

樹「あ、そうなんだ。わかった！」

そのまま樹はトイレに行くと言って教室を出ていった。

樹の背中を眺めて、全員がどうしたらいいんだと頭を悩ませた。