赤が変えてくれた世界で#3 (ページ14)

今日:19 hit、昨日:3 hit、合計:50,377 hit

・ページ14

ジェシーside

ジ「樹っ……よかった…」

樹は俺を視界にとらえてくれて、何かを話そうとした。

けど、声は聞こえず、口をパクパクさせるだけ。

医者が言ってたのはこのことなんだ。

ジ「樹、心配ないよ。脳震盪だったらしいの。しばらくは話したり体を動かしたりがしづらいんだって。」

樹(コク…

理解したのか、樹は口を動かすのをやめた。

俺は動かせてない樹の手を握った。

ジ「どこか痛い？大丈夫？」

樹(コク

ジ「はぁー……よかった…死ぬかと思ったよ、」

北「よかったな。俺夕食買ってきてやるからお前は残ってろよ。なんでもいい？」

ジ「なんでもいい。ありがとう、北斗」

北「いいえー」

北斗が出ていってからしばらくして、樹が少し話せるようになった。

それでもまだ声はカスカスで、途切れ途切れだけど。

樹「あい、つ………おれを、殴って…た」

ジ「え、樹を殴ってたって……まさか、」

樹「たい、がく、なった」

ジ「退学になったアイツ？は？なんであそこにいたの？」

樹の手に力が入ったのがわかった。

上から安心させるように包み込んだけど、俺自身怒りは収まらなかった。

退学処分を受けたらなかなか他校にも入学しにくいはず。

なんであそこにいたのか。

不思議だ。

樹にこんなことしやがって

今の俺の気持ちは、シンプルにこれだけだ。