染められた殺し屋#2 (ページ10)

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夜明け前ページ10

ジェシーside

ハッと目を開けると、あたりはしんと静まり返っていた。

ん、俺、眠れてた？

時計を見ると、3時だった。

3時間も、、眠れてたのか？

あれだけ荒れていた外も、

少し虫の声が聞こえるだけ。

雨の音も雷の音もしない。

腕の中の樹を見ると、ぐっすり眠っていた。

よかった。眠れてんじゃん。

にしても、ほんと誰だよ。

樹がここにいたいと言ったあの日、

こんなふうに樹に被害が及ぶのは覚悟していたことなのに。

樹にも伝えたはずなのに、

、、、いざ、

樹がその“誰か”に怯える姿を見ると、

ごめんなって、

思う。

それに、“誰か”にものすごい怒りが湧いてくる。

色んな感情が溢れ出てくる。

俺はこんな感情達を知らない。

樹には結構な物事を教えてきて、

俺はなんでも知ってるかのようになってるけど、

俺が知らないのは、

俺自身が今抱えてるこの感情。

こんな感情だって、

全て樹に出会ってから溢れてきたもの。

俺だって、初めてなんだ、

樹には、

俺には無い力がある。