痛みを求めて、#1 (ページ1)

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第1章ページ1

ジェシーside

夜の病院に、救急搬送されてきた、ピンクの髪の彼。

全身ボロボロで、

気を失って、

血だらけ。

吸い込まれるように、オペ室に運ばれていった。

オペが終わって、出てきた彼は、痛々しく見えながらも、穏やかに眠っていた。

今日から俺が、彼の担当になるらしい。

貰ったカルテを見ると、名前があった。

《田中樹》

そこにはそう記されていた。

彼は樹という名前なんだ。

基本的なアレルギーとかはないみたい。

ただ1つ。

彼が持つ病気は、

“先天性無痛症”

だから、、

あんなにもボロボロだったんだ。

記録によると、運ばれる前まで街を歩いていたらしい。普通に。

本来ならそんなこと不可能だ。

俺は外科医も神経内科も、両方の資格を持ってる。

彼が目を覚ましたら、まずは彼の声を聞こう。