Whereabouts (ページ2)

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ジェシーside

とりあえず、買ったものをキッチンに置き、男の子をソファーに降ろした。

ジ「ぼく、どうしたの？」

樹「、、、、」

ジ「俺はジェシーだよ？」

樹(ｺｸ

もしかして、話せないのかな…。
今、真っ直ぐに俺を見つめるこの目も、その怯えた表情も、、、

なんとなく、馬鹿な俺でも察せた気がする。

ジ「ぼく、何歳？指で数えてみて？」

すると、男の子は指で6を示した。

ジ「6歳か！幼稚園ぐらいだね」

樹(？

え、、、、
幼稚園って言ったら首を捻った。
行かせてもらってないのかな、、

俺は紙とペンを持ってきて、とりあえず渡してみた。

ジ「ここに書いてみて？」

樹(ｺｸ

ジ「じゃあー、まずお名前は？」

《じゅり》

ジ「じゅりって言うの？かっこいい名前じゃん！」

樹(ﾆｺｯ

ジ「漢字は分からないよね…笑」

《木＿豆＿寸》

樹(？？

ジ「木と豆と寸？」

そんな漢字あったっけ？笑
でもすぐに、頭にひとつの漢字が浮かんできた。

ジ「あ！ひよっとしてこれじゃない？」

《樹》

樹(っ！ｺｸｺｸ！

ジ「HEHE！俺天才かも！笑」

次はお父さんかお母さんの事を聞きたいんだけど……いいかな。
声が出ないのも、そのせいだったりしたら、可哀想だよね。でも、聞かないとこの先どうするか決められないもんな……。

ジ「次はもう書かなくていいからね？」

樹(？

ジ「パパとママ……は？」

樹(……ﾌﾙﾌﾙッ

首を横に振った。いないってこと？
これ以上は可哀想な気がして、もういいよって言おうと思ったら、樹は自分の服をめくった。

ジ「っ、、、、」

そこには、6歳児の子にあってはならないような、無数の痣があった。
つまりは、逃げてきたんだね……。
その痣は、古いものから真新しいものまで。

その上、来ている服もボロボロでかなり薄い。
今の季節は秋の半ば。夕方頃にはかなり冷え込むのに。

そして、よく見ると首にも痣があった。
……だから声が出せないのか。

可哀想に……

俺は身体を震わせて俯いている樹を、包み込んだ。

樹(っ……

ジ「樹？もういいよ。もういい。辛かったね。苦しかったね。痛かったね。寒かったね。」

俺の言葉全てにｺｸｺｸと頷く樹。

ジ「樹、ここにいな？ここを樹のお家にしてあげるから、、ね？」

樹(ｺｸｺｸッ

ジ「もう大丈夫。俺がずっと一緒にいるから。もう怖くないからね。」

そう言ってしばらくその小さな背中をさすっていると、小さな寝息が聞こえてきた。