桜の季節6 ページ6
1ヶ月後、少しずつ慣れてきた日常に寧々の言葉が少し軋みを入れている。
「おはよう、朝早いんだね。」
「っ…おはようございます、京本先輩、」
まさか京本先輩から話しかけられるとも思っておらず、頭がパンクしそうになる。
「京本先輩、」
「うん？」
「…あ、いや、え、なんでも、ない、です、」
「そっか。」
なんとなく、人と関わりたくないタイプかと勝手に思い込んでしまっていた。しかし、私は美人の寧々の親友、そこで納得して、悩ましい気持ちは晴れた。
流れ的に教室まで送ってもらい、あまり気まずくならない空間に一安心した。
「おはよ、寧々。」
「おはよー、京本先輩と仲良いんだぁ、まさかのらぶ？らぶ？」
指ハートを作りながらニヤニヤしてくる寧々を軽く叩いて、寧々が食べている飴を1つ貰った。
「…私さ、本当に北斗先輩好きかも、」
「…え？…この前の好きかも、って、」
こそと耳打ちされた言葉を疑い、ひと月中悩み続けたことをすぐに質問する。
これで私の勘違いだったら…ただの馬鹿だな、
「いや、あぁ、えっ、あの、…北斗先輩のこと考えてたら無意識に…」
しゅー…と音がなりそうな程に顔を赤らめる寧々。
可愛いし、こういうのがモテる女なのだろう。
というか、その日一日中北斗先輩のこと考えてたのね、
「でも、頑張りなよ？入学式の、人気だったし…」
「そう、そうだよね……LINE聞いてくる！」
「へぁっ！？っ本気！？」
猪突猛進とはこのことなのか。
私の腕を掴み、ぱーっと走っていく寧々の後ろ姿は凛々しい。
「あの、！北斗先輩いますか？」
「あ、いるよー。北斗ー、可愛い子が呼んでるよー。」
「…あ、どうしたの？」
「LINE交換してくれませんか！？」
がっ、と北斗先輩との距離を詰め寄るような寧々。北斗先輩も少し退いた。
北斗先輩の口が動きそうになる度寧々はびく、と反応し、少し、というか普通に吹き出してしまった。
「いいよ、しよう。LINE交換。君もする？」
「…あ、Aです、したいです。」
「知ってるよ、なんて呼べばいいのかわかんなかっただけ。」
「呼び捨てで大丈夫ですよ」
「わかった。」
そう会話を繰り広げながら3人でスマホを振る。
寧々はこれだけで達成感が得られたようで口元は緩みきっている。北斗先輩はそれに気づいてくす、と笑い、もう寧々からの気持ちに気づいているようだった。
「後で樹のも送っとくね。」
「っへ？いや、」
「…ね？」
「…ありがとうございます、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です！そう言ってくださると更新も楽しいです！ (2019年5月19日 21時) (
レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます！そう言ってくださると頑張れます！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遊惑 | 作成日時：2019年3月15日 23時
