向日葵の季節4 ページ32
「行こうか。」
微笑まれ、ついロボットのようにかくかく頷く。
軽い走りだけどすごく青春っぽくて、胸に来るものがある。
(あ、樹先輩に挨拶してない…!)
後ろを振り向けば樹先輩と目が合い、軽く手を振ってくれる。嬉しくて、手を振り返せば慌てたような顔でこっちを見る。
「っあ、!」
「えっ、」
ジェシーがコケた瞬間、こっちもバランスが崩れ、ふわりと宙に浮く。
(わぁ私ちょうちょみたーい)
「っい"ったぁ…」
そう思ったのも一瞬で地面に落ちていく。
だが痛いと鳴いたその声は自分の声ではなかった。
「っ、大我先輩!?!?」
「ああ、大丈夫だった?」
「っこっちのセリフですよっ!!大丈夫でした?すみません…!!!」
「あぁ、大丈夫だって。Aに怪我ないなら良かった。」
「すいません、!っ、血が、!」
「っきょも!大丈夫だった?Aも、」
「樹、手貸して。」
「はいはい、…大丈夫そうだね。手だけ?」
「うん。」
2人で水道へ歩いていくところを追いかける。ジェシーは転ばなかったようで、体幹しっかりしているんだろうなと最近朝のランニングサボっていたことに後悔する。
「すみません…」
「いや、俺がやったことだし、謝らないで。」
…すみません
そう心でつぶやくも情けない気持ちでいっぱいになる。謝り倒しても罪悪感が消える訳ではなくて、ぽろ、と視界が歪んだ。
「っちょ、泣かないでっ!」
「すみませんんんんんん、」
「おうおう、ほら、たったのこれだけ!」
洗った傷口を見せられ、ちみっとした怪我に少し安堵したが、止まらなくなった涙はぼたぼたと降り落ちる。
「…あ、!樹先輩、京本先輩!A泣かしたんですか!?」
寧々が駆け寄ってきて、抱きしめられる。
大丈夫だよ、と軽く頭を撫でられ、北斗先輩の声も微かに聞こえた。一緒に来たのだろう。
「おい大我ぁあああ!!」
「うげ、熱血教師が怒ってらぁ…」
「…行きたくねぇ」
「俺も一緒に行って怒られるべ。」
「ふはw、サイコー。」
2人で走り出してへこへこ熱血教師らしい人に頭を下げている。2人は目元は半笑いで、さらに怒られている。
「明日一学期終わるとは思えないな…」
北斗先輩が呟いた言葉にはっ、と目が覚める。
そう言えばそうだ。
「夏休みの勉強会って、?」
「今日のやつで言うから大丈夫。」
「そっか、ありがとうございます。」
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遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です!そう言ってくださると更新も楽しいです! (2019年5月19日 21時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます!そう言ってくださると頑張れます! (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい! (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊惑 | 作成日時:2019年3月15日 23時