紫陽花の季節12 ページ27
部活では樹先輩が美味かった〜と言いに来てくれて、空のお弁当箱を受け取った。
「樹〜、A〜」
部活が終わったのか、慎ちゃんがもう制服で呼びに来て、あぁ、もう私は呼ばれるのか、と少し嬉しくなった。少し2人で急いで、慎ちゃんの元へ駆けていく。樹先輩は大きい腕時計を見て、みんな早いなと呟いた。
「樹、俺今日勉強会遅れるかもしんない。」
「…え？なんかあったの？」
「いや、Aの家に行って、夕飯食べてく。」
「そうなんです、今日両親いなくて、」
「お兄さんは？」
「あ、昨日から寮に戻りました。」
「そうなんだ、いいな〜」
「もし、迷惑じゃなければなんですけど、私の家でやります、か？」
「｢まじ？｣」
しっかりもハモってそう言われ、迷惑じゃなければ、の話、なんですけど…ともう一度付け足す。
「あ、4人いんじゃん、」
「あれ、寧々は、？」
「いないね。北斗は女の子の気持ち分からないからね〜…」
「…慎ちゃん、私いない方がよかったかな、」
「え？そんなことないよ。」
「…あ、Aの家でやってみない？」
近づいてきた4人に樹先輩は聞くと3人はすぐに頷いた。
「…いいけど、迷惑じゃない？」
「私は大丈夫です。いや、みんなが、迷惑じゃなければ、の話です、」
「じゃ、俺もいいよ。はい、自転車。」
「あ、すみません、ありがとうございます！」
自転車を受け取り、どこで歩けばいいのか、少し挙動不審になる。
奇数の場合こうなるから気まずいんだよね…
「ねね、明日は何作んの？」
「あ、お弁当ですか？悩み中なんです、何がいいですか？」
「…美味いの。」
「…頑張ってきますね。」
自然に1人にならないように歩いてくれる樹先輩は優しいな、と少し嬉しくなる。
途中で4人が違う方向へ行き、3人で私の家へ向かう。
3人で、
「3人で、？」
「樹も来んのー？」
「行くー」
「…男の人って、どんな食べ物が好きなんですかね、」
「肉ー？」
「肉じゃない？」
「そっか…」
迷いつつも家に着き、スリッパを出して2人に入ってきてもらう。制服のジャケットを脱いで、2階に上がり、部屋にかけてエプロンを装着して髪の毛を束ねる。これが美人だったらいいなぁなんて、少し夢を見た。
「手伝う？」
「っあ、じゃあ、」
慎ちゃんと並んで料理を始める。少し危なっかしい手つきにひやりとして、お味噌汁を任せて、異性の人とのなれない料理に、つい、顔を緩ませた。
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遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です！そう言ってくださると更新も楽しいです！ (2019年5月19日 21時) (
レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます！そう言ってくださると頑張れます！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊惑 | 作成日時：2019年3月15日 23時
