紫陽花の季節11 ページ26
「…謝らないで、悪くないから」
その言葉に涙腺を緩まるとすぐに、ジャージなんかよりも優しい匂いが目の前に広がって、息が整うのを感じる。
「ごめん、助けれなくて、ごめん。」
「っいや、私が不注意なばかり、でも樹先輩が殴ったりするのはダメです、樹先輩が加害者に」
「正当防衛に」
「ならないですっ、過剰防衛になります、でも、そういう話じゃなくて、!」
必死に、1番苦手だった自分の意思を伝えることを脳に巡らせる。口が回らなくたって、何だっていいから、
「っ、樹先輩を悪い人にさせたくないんです、!」
上手に伝えられたかななんて、恥ずかしさで顔が
熱い。
少ししても反応しないから、ふと樹先輩の顔を見ると顔を抑えて、待って、と呟いた。
「あ、いた、」
肩を揺らして、大我先輩が駆け寄ってきてくれる。ひんやりとした手が頬に触れ、ふと顔をあげれば泣きそうな大我先輩と目が合う。
「…ごめん、目離さなければ、」
「大我先輩は悪くないですから、安心してください。」
「…できないから、好きな人がこんな目にあってて安心できないよ」
「…すみません、」
「…ごめん、言いすぎた。」
「っ、全然、」
2人の優しいところが身にしみて、心が暖まるけど、少し目に涙がにじむ。
2人が立ちあがり、保健室へ連れていってもらう。2人の隣を、まだ苦しい鼓動と震えた手を抑えて歩き始めた。
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遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です!そう言ってくださると更新も楽しいです! (2019年5月19日 21時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます!そう言ってくださると頑張れます! (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい! (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊惑 | 作成日時:2019年3月15日 23時