紫陽花の季節6 ページ21
「…あ、」
起きてしまった。時計を見れば5:55を指していて、すっかり冴えてしまった目はぼーっとするしかなく、起きて樹先輩を眺めていると6:30になるとはっとしたように目を開けて私を見た。
「…おはよ、」
「ふふ、ぼさぼさ…」
「…んん、うるさいよ、熱は、？ほら、」
体温計を渡され、笑いつつ脇に挟み、すぐになった音に体温計を取り出す。
「……おやすみなさい、ほら寝なさい。」
「いや、あぁ…」
「お弁当作ってもらおうとしたのになぁ〜」
「！今からでも！！！」
そう叫べばぐらりと視界が歪み、ベッドに沈む。ごめん、と焦ったように布団をかけられ、急いで部屋から出ていってしまい、すみません、と届くはずもないのに声を出す。
「っはい、冷えピタ、えっと、あぁ…俺が帰ってくるまで待てる？なんならサボって昼に帰ってくるけど、」
「…授業は、受けてください！」
「……残念。」
ばさりと突然脱ぎ、樹先輩の鍛えられた体が露わになる。つい目を逸らすとあ、ごめん、と軽く謝られるのが聞こえた。絶対反省してないような声で、恥ずかしさで布団を頭まで被る。
「ごめんごめん、もういいよ。」
見ればパーカーの上にジャケットを羽織っていて、この人はちゃんと着ないのか、と思いつつ、鳴ったインターフォンに反応して、行ってくるね、と優しく微笑まれる。それが妙にどき、っと胸を打ち、はい、と声をギリギリのところで出す。
すると玄関からじゅりー！と叫ぶジェシーの声が聞こえて、笑いながら出た樹先輩を見届けた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
いつの間にか、眠ってしまったようだ。
起きたら体は軽くて、気だるい感じも全くなく、スッキリした。時計を見れば17時半、なんて中途半端な時間に起きてしまった。ふう、と息を漏らし、1階でする物音に耳を傾けた。
「ただいまー、起きてたんだ」
「はい、ありがとうございます…」
「…帰んの？」
「？はい、よくなったので、」
「…送ってくわ。親御さんいる？」
「あぁ、多分お母さんが、」
「よかった。」
そんな話をしつつ、制服に着替えてこれで離れてしまうのかと少しだけ、寂しく思った。
「樹先輩って、昼食パンだけでしたよね？」
「うん。」
「…私が、明日からお弁当作る、ってダメですか？」
「え？」
聞き返すような冷静なその1文字に突拍子もないことを言ってしまったと恥ずかしくなる。
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遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です！そう言ってくださると更新も楽しいです！ (2019年5月19日 21時) (
レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます！そう言ってくださると頑張れます！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊惑 | 作成日時：2019年3月15日 23時
