紫陽花の季節4 ページ19
「で、どうしたの？」
「家出とか？」
大我先輩に渡されたペットボトルのミルクティを貰うと優しく問われ、自分で言いたくない、言いづらい、とオドオドしていると樹先輩が助け舟を出してくれた。
「あー、仁田先輩。」
「あぁ、」
「は？大丈夫なの？」
「ぁ、大丈夫です、一応。」
「一応じゃないでしょ、」
大我先輩にぐい、と頬を引っ張られ、すいぁへん、と発音出来ていないまま言葉に出すと吹き出され、自分でやったくせにと叩くとごめんごめん、と未だに笑いつつ謝られた。
謝られた気がしないんですけど。
「…じゃ、勉強はじめよっか。」
「あ、じゃあ私は、」
「まぁ、ここにいなよ。」
それまで口を閉じていた�眞論菁擇�笑いかけてくれて、素直に頷いてしまった。
どのような流れでやるのか、軽く教えてもらい、黙々と勉強に取り組んでいる時、休憩の時のプチタルトと最後のゼリーを作る。
「っひぃっ、！？」
ふと前を向くと大我先輩が目の前にいて後ずさりする。本当に怖い。
「タルト？」
「はい、今日寧々から貰ったいちごのです。」
「へー、」
焼き終えた物をじっと見ている大我先輩の口元にいちごタルトを近づけるとさく、という音とともに美味しそうに笑ってくれた。
「…2人って付き合ってんの？」
「｢ん？｣」
「仲良いもんね〜」
それは休憩の時間に言われ、うん？と首を傾げる。
「付き合ってないよ。俺フラれたもん。」
「わおすごいカミングアウト。」
「……慎太郎…」
「どうした？」
「慎ちゃんって呼ぶね。」
「えっ、突然すぎて驚く。」
逃げ道に使ってしまった慎ちゃんに申し訳なくなりつつ、いちごタルトを慎ちゃんの口の中に放り込んだ。
「まぁ、諦めてないけど。」
その大我先輩の言葉に顔を熱くしつつ、いちごタルトのお皿を引き上げ、休憩終了だと知らせた。
黙々としつつ、理科の分からなかったところを解いていく。それでも理解できなかったところは飛ばして、最後の最後に考え込んでいく。
おしえようか、その言葉がノートの端に書かれ、その主を見ると北斗先輩だった。お願いします、と頭を下げると何かを付箋に書き取り、私のノートに貼った。
そこには解く方法、ではなく、そこの単元のおさらいが書かれていて、そのおさらい通りにやるとすんなりと次のページに進んだ。
「その付箋、捨ててね。」
「…有難く頂戴します。」
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遊惑(プロフ) - 神山芽衣さん» キュンキュンして頂けて光栄です！そう言ってくださると更新も楽しいです！ (2019年5月19日 21時) (
レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
神山芽衣 - コメント失礼します。とても楽しく、キュンキュンしながら読んでます。更新大変だと思いますが、頑張って下さいp(^^)q (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5d0933fc27 (このIDを非表示/違反報告)
遊惑(プロフ) - ペペロンチーノさん» ありがとうございます！そう言ってくださると頑張れます！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: c7d2e895bd (このIDを非表示/違反報告)
ペペロンチーノ(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませてもらってます。大変だと思いますが頑張って下さい！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 117d6a24e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊惑 | 作成日時：2019年3月15日 23時
