焦り ページ3
河井side
｢あーーもうわからんっ！｣
楽屋へ戻ろうと歩いていると、そんな声が聞こえた。
気になってその声の方へ行くとそこにはしゃがみ込んでいるAが居った。
河｢どしたん？｣
気になってそう声をかけるとゆっくりと俺の方を向くA。
｢ゆずるさん…｣
俺はAを楽屋に入れて、話を聞くことにした。
．
河｢…で？何があってん｣
そう聞くとAはすぅっと息を吸ってから話し出した。
｢…この前、賢志郎さんとお出かけしたんです。
めちゃくちゃ楽しかったんですけど、、｣
そこまで話すと、Aの顔が少しばかり赤くなったような気がした。
賢ちゃんのことを下の名前で呼んでたこととか知らん間に2人で出かけてたこととかめっちゃ気になったけど一旦置いといて、話の続きを聞いた。
河｢…けど？｣
｢………あ、の、帰り際に、腕を掴まれてぎゅってされて好きって言われてここにチュッて｣
Aは自分の頬を指さしながらそう言った。
語彙力が有り得へんくらいなくなっとるけど、何となく状況は察することは出来た。
……賢ちゃん、やりよるな、
内心めっちゃモヤモヤしてるけど、出来るだけ冷静を装って質問した。
河｢……へぇ、それでAはどう思ったん？｣
｢……なんか、それから賢志郎さんに会うと目合わせられないし、ドキドキするし、よくわかんなくて、｣
あかん、これ俺やばいんちゃうん。
賢ちゃんに取られるやつやん。
どうしよ。
｢…え、ゆずるさ、どうし……んっ、｣
そう思っていたときにはもう遅くて、Aに口付けていた。
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作者名：みるく。 | 作成日時：2020年5月20日 11時
