ごーはーん ページ13
河井side
｢ゆーずーるーさーん｣
｢ねーえーってばー、ゆずるさーん｣
｢ご飯行きましょーよー｣
さっきからLINEでマネージャーと打ち合わせしてる俺の横でのろのろ喋りよってるのはA。
楽屋の一角で…正味めちゃくちゃうるさい。
てかにしても語尾伸ばしすぎやろ。
｢ねぇーえー！｣
河｢っアホ！肩は揺らすな！｣
あ、Aが揺らすから間違えて『こでれかて』とか訳分からん文章送ってもうたやん。最悪や。
たぶん画面の向こうでマネージャー笑とるで。
｢…ふっ、『こでれかて』って…ふふはっ、ふふっ｣
画面の前でも笑っとったわ。
河｢笑うなアホ！誰のせいや思ってんねん！｣
｢いや！ゆずるさんが返事しないのが悪いです！
行きましょ！ご飯！ね！！｣
そう言うAの目はギンギンやった。
俺も俺で、これは終わらんなと思ったのか勝手に口が動いていた。
河｢あーもう、わぁーったわぁーった、行くわ。おん。行く。やからもう邪魔せんといてや、大事な話してんねんて｣
そう言うと、Aはパァっと顔を明るくした。
｢やったぁ！
じゃあゆずるさんのおすすめのお店行きましょ！他にも誰か誘います？
渚さんとか…あ、見取り図さんと今東京居ますよね！モリシさん誘います？！｣
河｢ちょ勝手に進めんなって、ちょっと待ってーや｣
なんかいつもよりウキウキしているA。
…うるさいのぉ。
そう思いながらも1度スマホに視線を戻して、再びマネージャーと仕事についての打ち合わせや確認を行う。
と、その時Aのケータイが鳴り響いた。
｢ん？………あ、モリシさんだ｣
なんてタイミングや。
｢もしもしー｣
｢……はい、え、あ！奇遇！
そうなんですよ、ゆずるさんと…そうそう！
……うん、はい、………了解です、追って連絡しますねー！じゃあ！｣
…察しがつくな。
｢モリシさんも来るって！よかったですね！｣
いやどこがや。うるさいだけやあんなん。
｢さっ、お店決めましょー｣
マネージャーとの連絡もひと段落ついたし、もう色々決まっとるみたいやからええかと思いおすすめの店を何個か出した。
｢さすがYUZURU…！｣
河｢今英表記のゆずるやったよなお前笑｣
｢そんなことはないはず…ですよ？｣
河｢も〜ほんまに…えあわ決めといてや｣
Aに対してはどこか優しくしてまう俺も俺やねんけど。
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作者名：みるく。 | 作成日時：2020年5月20日 11時
