お嬢の悩み ページ2
賢志郎さんと出かけてから2週間くらいが経った。
あれから賢志郎さん呼びが馴染んでしまってそのまま呼んでいる。
けど、賢志郎さんを見かける度にあの光景が脳裏に浮かんでしまって、前みたいに目を見て話せない。
それに胸がドキドキする。
ほら、今だって。
ENGEIグランドスラムの収録なのに、たまたま通りかかった賢志郎さんに目が行ってしまう。
『Aのことが、好きなんや、ずっと。』
頬に触れた柔らかい感触。
『絶対俺のこと好きにさせたる』
川｢…A？｣
｢っ！は、はい！｣
川｢…なんか俺の事じーって見とったけど、なんかあったん？｣
いつの間にか賢志郎さんを見ていたらしい。
｢あ、いえ！大丈夫です、！｣
川｢そか、ほんならええけど…｣
なんかあったらいいや
賢志郎さんは私の頭をぽんぽんと撫でてから楽屋へ帰っていった。
…なんで、こんなにドキドキするんだろう。
そう思う度、いつかゆりやんが言っていた言葉が頭に浮かんだ。
『好きな人にな、優しくされると胸がキューってなるやん。あれがええねんっ』
『会うだけでドキドキしてなー、ろくに話せへんし…』
『もうその人しか見えんくなって…！』
｢…恋、？｣
いや、まさかまさか。
賢志郎さんは先輩。めちゃくちゃ尊敬してる、優しい優しい先輩だから！
｢……あーーもうわからんっ！｣
私は勢いでその場にしゃがみ込んだ。
すると
｢どしたん？｣
聞き覚えのある声が聞こえた。
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作者名：みるく。 | 作成日時：2020年5月20日 11時
