わからない、 ページ1
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お寿司を食べ終わると賢志郎さんは私を水族館に連れて行ってくれて、クラゲやいろいろな魚をたくさん見た。
それからイルカショーも見たしカワウソに餌もあげた。
…可愛かったなぁ。
だけど楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、もう空は真っ暗になっていた。
賢志郎さんも私も明日は仕事だから、早めに帰らなければならないということで今は駅にいる。
｢賢志郎さん、今日はありがとうございました！
私がお礼するわけなのに色々おもてなしして頂いて…。めちゃくちゃ楽しかっです！｣
川｢…そか、ほんならよかった！
俺も楽しかったわ｣
｢はい！今日は本当にありがとうございました！｣
じゃあ！
と言って改札に向かおうとすると、後ろから腕を掴まれた。
そしてそのまま引っ張られて視界が暗くなる。
｢……へ、｣
それが賢志郎さんの胸の中だということを理解するのに、それほど時間はかからなかった。
川｢…もう言うタイミング無くなりそうやから言うわ。
好きや｣
突然のことに頭が追いつかない。
｢えっ…と｣
川｢好き。Aのことが、好きなんや。ずっと｣
わけがわからなくてぽかんとしていると、もう賢志郎さんの胸からは離れていて、だけど今度は賢志郎さんの顔が近づいてきた。
そしてそのまま私の頬に賢志郎さんの唇が触れた。
｢…っ、、｣
何故だろう。
心臓がうるさい。すごくドキドキする。
川｢…絶対俺のこと好きにさせたる｣
賢志郎さんはそう言うと、いつもの優しい笑顔に戻った。
川｢ごめんな、足止めてもて。
……じゃあ、また。仕事頑張ってな｣
｢賢、志郎さんも、、、｣
周りは賑やかでたくさん人がいるはずなのに、私には去っていく賢志郎さんしか見えなくて周りの音なんて聞こえなかった。
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作者名：みるく。 | 作成日時：2020年5月20日 11時
