#22 ページ23
｢うっ、｣
口に手を当てるAを見て何となく察する。
｢え、おい、大丈夫？
具合悪いん？｣
｢は、、大丈夫、です｣
いや、どこがやねん。
｢絶対大丈夫ちゃうやん。顔も赤いし…
ほんま無理せんといてや、今日は帰る？｣
普通の人とは少し違って真っ白な肌をした彼女は、見たら一瞬でわかるくらいに肌の色が変わっていた。
やからAのことも考えて、ちょっと嫌やけどそう言うた。
｢っ、嫌です！河井さんとご飯だから、頑張ってきたのに、すぐ別れちゃうのは、嫌、、っ！｣
｢はっ！？おまっ、急にそんなこと言うなや…｣
あかん、心臓飛び出るか思たわ。
顔も赤いし、そのせいか声もいつもよりふにゃふにゃしとるし。
ほんま、心臓に悪いて…。
そう思っていると、Aが机に突っ伏した。
｢はぁっ、はぁっ、｣
これは、ほんまにダメなやつやん。
｢俺が送るから今日は帰ろ。な？
具合良うなったらまた飯行こうや｣
そう言うとAは納得して、何故か謝った。
やけどもう立つ気力もないらしい。
どうするかな……。
焦りつつそう考えていると、Aが小さく声を上げた。
さっきよりも辛そうで声をかける。
｢ちょ、ほんまに大丈夫？
……おい、！おい！｣
途端、Aがバタッと倒れた。
これはほんまに、まじであかんと思ってすぐ店員さんを呼びに行った。
そして再び店員さんと個室へ入ると、そこにいたのは人じゃなかった。
｢…は、｣
驚く俺をよそに、店員さんはため息をついた。
｢イタズラならやめてください…。
それと、店内はペット持ち込み禁止ですので。
今回は見逃してあげますけど…次回はないですからね｣
店員さんはそう言って仕事に戻って行った。
俺は唖然と、気持ちよさげに寝ている猫を眺める。
…いや、寝ているA、か。
真っ白で綺麗な毛並みで、既視感がある。間違いなくAやな。
その証拠に、Aが被っていた黒髪のウィッグやカバンが置いてある。
…やけど、何でや？
Aは、その、キーホルダーで姿を変えられる、って言うてたよな。
さっきまで持ってへんかった。
…わからんなぁ。不思議すぎる。
俺はとりあえず、他の客にバレへんようにAを抱きかかえて店を後にした。
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ますみ(プロフ) - 全然こちらこそです。いつも楽しい作品ばかりで時間ある時は見返したりもしてます。これからも更新楽しみに待ってます。 (2020年5月21日 21時) (
レス) id: cc9c552fc9 (このIDを非表示/違反報告)
みるく。(プロフ) - ますみさん» わぁぁいつもありがとうございます…！嬉しい限りです！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月21日 20時) (レス) id: f7dc3fba37 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - この作品も影ながら読ませて頂いてます。河井さんとの話も良いです。これからの展開が物凄く楽しみです。最近ふと思ったんですがみるくさんの作品全部読んでるなぁと思いました。芸人さんとの短編集みたいなのもお嬢様の話のも大好きで読んでます。全作品大好きです。 (2020年5月21日 15時) (レス) id: cc9c552fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるく。 | 作成日時：2020年5月3日 23時
