女医さん１４ ページ15
薄らと少しずつ覚醒していく頭
ぱちり
目を開けると其処はよく見知った場所だった
何故此処にいるのか
その応えは逆算して導き出した
おそらく自分が海に蹴飛ばされた為だろう
｢けど、一体誰が…｣
本当に此処があの世ではないことが知りたくなった
本当に自分は未だ生きているのか…
外景を見ようと躰を起こそうとした瞬間、片方の手が何かに絡みついているのに気づいた
首だけを動かして其れを見る
｢太宰、幹部…？｣
離さない、とでも云うかの如く、太宰幹部の手が私の手をぎゅっと握っていた
すやすやと眠る顔は少し幼さが残っていて、人を殺める様な…、そんな真似は一切しなさそうなものだった
こう見ると、矢張り美男子である
｢有難うございます…太宰幹部｣
今度彼に何か貢ごう
彼が起きたらそう云おう
私はそう決め事を作り、少しだけ彼の手を握り返した
｢うふふ、随分と可愛い真似をするじゃあないか｣
｢え…｣
｢お早うAちゃん｣
先程迄、ぐっすり熟睡していたのではなかったのでは？
握り返してしまった手から、冷やりとした感覚が走り出した
然し、振りほどこうとした手は離されること無く、寧ろ更に強い力が太宰幹部によって込められた
｢離して下さい、変態｣
｢そんな真っ赤な顔して云われても、逆に興奮するだけだよ｣
｢っ、…｣
｢おや。抵抗しなくても善いのかい？｣
完全にからかわれている
距離が縮まり、必然的に近づく太宰幹部の顔
自棄にニヤニヤとした其の表情に少し苛立つ
｢悪巫山戯は止めてください｣
｢悪巫山戯？私は至って本気だよ？｣
手を解かれたと思えば、次は躰を拘束される
先刻よりも迫った距離
其れよりも、私は太宰幹部の言葉に気を取られていた
｢…本気って、一体何が“本気”なんですか｣
｢はあ？何で其れを訊くの？
君鈍いの？馬鹿なの？態となの？｣
非道い云われようだった
太宰幹部が私を罵ったのは初めてで、グサッときたのだが…
背中に回された腕が少し強くなる
｢私、真剣に君が好きだよ
未だ会って少ししか経ってないけど…｣
“如何してだろうね。
あの時『死んで欲しくない』
そう思ってしまったんだ”
自 殺嗜好者から出るとは思ってもみなかった其の言葉────
(ねぇねぇ、返事が欲しいなァ)
(…変態は無理です…)
(其処なの？)
(其処です)
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あほ毛100%(プロフ) - 五月雨花火さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると本当に有り難い限りです！m(_ _)m 更新頑張ります！！ (2018年8月18日 0時) (
レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - むっちゃこの作品好きです！更新頑張って下さい!!! (2018年8月17日 21時) (レス) id: 21ac55d013 (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - ★★さん» ありがとうございます！そういって頂けて嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2018年7月4日 9時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
★★ - やっばいおもしろいです！！！更新頑張ってください(´∀｀) (2018年7月2日 15時) (レス) id: 5bde35895e (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - 純さん» ありがとうございます！大人しめの弱ツンデレが美味しいです(ヨダレ) 頑張らせて頂きます！ (2018年6月24日 21時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あほ毛100% | 作成日時：2018年5月3日 19時
