【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ10)

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４ただの少女② ページ10

班員とは距離は縮めなければならない。

それは効率よく行動できるからであって、仲良くなることは違う。

情に流され、判断が鈍ったら班員の命も危険にさらされる。

調査兵団に入団して数年、兵団の兵士も自分の班の仲間達も次々に変わっていった。

いつ仲間が死ぬか、自分が死ぬかわからないこの状況で判断が鈍ったらどうなるか...。

今の調査兵団を見ていれば分かる。
どんな人が生き延びて、どんな人が兵団をまとめているのか。

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ウィルは本を閉じると、布団を蹴飛ばしたイザベルち近寄り、優しく布団をかけ直し部屋を出た。

疲労の溜まった、重い足で一段一段階段を上って屋上へ向かうと見覚えのある男の後ろ姿を見つけた。

「...リヴァイ」

一人の時間を邪魔されたリヴァイは眉間に皺を寄せ、不機嫌そうに振り向いた。
その様子を見てもウィルは気にすることなく、そばに腰を下ろした。

「いよいよ、明後日壁外調査だ。」

しばらくの沈黙を崩したのはウィルだった。

「リヴァイ。私はあなたをとても恐ろしい人だと思い込んでいた。」

申し訳ないと突然頭を下げたウィルを見てリヴァイは一瞬目を大きく見開いた。

「いや、俺はお前を恐ろしいクソ女だと思ってるがな。」

「クソ女とは酷いな。」

ハハと笑いながら、眠れないのかと問うウィルの言葉にリヴァイは頷いた。
ウィルは理由は聞かずに、黙って空を見上げた。

そして、

「覚悟して臨んだほうがいい。」

と悲しい声で言うと立ち上がり、階段を降りようと足を進ませた。

「待て、クソ女。俺はお前はなにを考えてるかわからねえ気持ち悪い女だと思っているが、あいつはお前を信頼してる。」

リヴァイの気持ちを察したウィルは、振り向かず話す。

「壁外はあなたが思っているより恐ろしい。だから、私は壁外ではイザベルを守ることはできないよ。」

そういって暗闇に姿を消していった。