【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ42)

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13 力の差① ページ42

目を開けたつもりが、真っ暗だった。

自分は横になっているのだろうか、石造りの地面の冷たさを感じる。

冷たい風が髪を揺らし、此処が屋上だということはすぐに分かった。
昨日だってこの石造りの地面で座って話した、リヴァイと。

ここからは見晴らしがいいのに、他の棟からは一切見えないし、建物三階分程の階段を登らないと来れないため、知っている人も少なく他に人が来ることはほとんどない。

だから、ウィルもリヴァイも気に入っていたのだ。

ふと我に返ると、複数の足音と話し声がする。ぞろぞろと階段を登ってきているのが分かる。

「だ、誰っ？！」

慌てて身構えようとするが、体が思うように動かず地面に倒れ込んでしまう。
ウィルはそこでやっと気づいた。自分の手は後ろで拘束され、目には布が当てられ視界が奪われているのだと。

「無理に抵抗しない方がいいと思いますよ

まだ、睡眠薬の効果残っていると思うので」

「体、上手く動かないでしょ？」

二人の男性の声の他に男二人と女一人の笑い声がする。

一体誰なのだと、これから何をされるのかと不安と恐怖で体が震える。
なんとかして、この場から逃げなければと思うのに身体は言うことを聞いてくれない。

「あなたたち、兵士でしょ？

こんなことして許されると思っ＿＿＿＿＿」

今出る最大の声で叫ぶが、口元を布で押えられて遮られてしまう。
口まで塞がれてしまっては、助けを呼ぶことすらできない。

「ちょっと、黙ってて貰えます？ウィルさん」

傍にやってきて、ウィルの顎を掴み上を向かせるその女の声に聞き覚えがあった。
そう、ウィルは彼女とついさっきまで話していたのだ。