【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ41)

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12 僅かな疑問⑤ ページ41

「私はリヴァイをそういう対象で見たことはないよ」

そうきっぱり言うとゾフィは、どんな心情だったのだろうか、僅かに笑みを浮かべる。
しかし、紅茶を勢いよく流し込むウィルがそれに気づくことはなかった。

「私、もう兵士ではいられないので明日出ていきます」

最後に話せてよかったと言って、ゾフィはウィルに感謝を述べて先に食堂にを出ていった。
ゾフィは誰かに話を聞いてもらいたかっただけなのだろう。

まだ動揺してその場を動けないウィル。
しかし、リヴァイが話したいことがあるといっていたのと辻褄が合う。

自分がここまで動揺していることに驚きを感じるが、一度部屋に戻ろうと立ち上がる。
一瞬、ぐわりと頭が回ったような目眩がするが、気にせず歩く。

部屋に戻っても頭痛と目眩が治まらなかった。それほどにも動揺してしまっているのかと情けなく思う。

気づけばもうすぐ一時という時間になっていて、鉛のような身体を無理やり動かして屋上へ向かった。

壁で身体を支えながら一段一段階段を登っていくと、見慣れた景色。

しかし、そこにはリヴァイの姿はなく、早く来すぎたのかと思う。
リヴァイが来たら一体どんな顔をして話せば良いのだろうか。

そんなことを考えていると、最後の一段を登ると同時に後頭部に鈍い痛みがして、ウィルの意識はそこで途絶えた。