【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ31)

今日:1 hit、昨日:29 hit、合計:91,165 hit

10 リヴァイ② ページ31

「理由？」

「班長になったからって調子に乗るなよスメット！」

「父親の名前に乗っかてるんじゃねぇ」

「父親のお陰で出世しただけなのに」

幹部達の暴言がウィルに突き刺さる。
自分がこんなふうに思われているなんて思ってもいなかった。
その様子を見て止めることも無く、シャーディスは黙りこむ。

「シャーディス団長…一体どういうことでしょうか？

………班長になったのは私のことを認めてくださったからだと思っていました。

とんだ勘違いをしていたようでとても恥ずかしいです。」

そう言ったウィル瞳に涙を溜め、今にもこぼれ落ちてしまいそうになるのを必死にこらえていた。

「リヴァイは罪を犯したことがありますが、今回の壁外調査で人類の勝利の為に必要な存在であるという事実も証明されました。

リヴァイは私が連れてきました。
私が責任を持って監視しますので、この件は私に預からせて頂けないでしょうか。」

騒ぎの間、一切口を開くことのなかったエルヴィンの言葉をシャーディスが了承したことにより事は収まり会議も終わった。

「エルヴィン分隊長、先程はありがとうございました。」

ウィルはエルヴィンに感謝を述べて頭を下げる。

「君のためではなく、私もリヴァイは人類の勝利に必要だと感じただけだ。

それと……まだ未熟な部分もあるが、君はちゃんと実力を認められて班長に選ばれた。」

それは、励ましではなかった。エルヴィンは事実を伝えただけだ。しかし、先程の幹部達の言葉を聞いて、認めていない者が過半数だとウィルは思ってしまっていた。

「失礼します」

エルヴィンに敬礼をすると、足早にその場を去った。