【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ26)

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９花束の行方① ページ26

毛布にくるまった塊が、ごそごそと動く。

そこからひょっこりと顔を出したウィルは辺りを見渡すが、そこにはリヴァイの姿はなかった。

いつの間にか眠ってしまったため、その前の記憶が曖昧だった。
しかし、この毛布を掛けてくれたのはリヴァイだということは分かる。世話を掛けすぎだと反省した。

今日から三日間兵士たちは休暇が与えられている。
自分の家や実家に戻るものもいれば、兵舎に残るもの、友人と出掛けるものなど過ごし方は自由。

自室へもどったウィルはイザベルの遺品の整理をしていた。
服を箱に詰めると、ある日のことを思い出す。

リヴァイ達が調査兵団にやって来てから初めての休日。
ウィルはイザベルをある店へ連れて行っていた。

「ほんとにいいのか？」

目をきらきらと輝かせるイザベルは、並べられている服を一つ一つじっくりと見る。

私服をほとんど持ってなかったイザベルのためを思い、女性用の服屋に連れてきていた。
もちろん、イザベルはまともなお金を持っていないため、ウィルのお金で買う。

なかなか決まらない様子を見ていたウィルは、何着か選んで、嫌がるイザベルに無理矢理試着させる。
それを服屋の主人と一緒に見て、一番似合う服を選んだ。

ウィルの横でイザベルは服の入った袋を嬉しそうに持って歩いた。

その日から、その服は部屋に飾られて続けていた。

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全ての遺品を箱に詰め終えたウィルは、それを持って男子棟へ向かう。
リヴァイがいるであろう部屋を両手が塞がっていたため足でノックする。

ゆっくりと空いたドアの奥には、もちろんリヴァイの姿がある。

「イザベルの物だ」

箱ひとつに納まってしまうほどの量しかなかったが、そこにはイザベルの全てのが詰まっていた。

「今日の予定は？」

箱を受け取って部屋を閉めようとするリヴァイに尋ねると、動きが止まる。

「……部屋の掃除だ」