【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU (ページ21)

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８星空の下で① ページ21

応急処置が終わり病院へ運ばれる者、兵舎に戻って休むもの皆それぞれだった。

しかし、幹部はその後も事後処理に追われ一切の休憩が許されなかった。

班長であるウィルもまた他の幹部と共にあちこちへ走り回っていた。
兵服や長い黒髪にには自身のものではない血がこびり付き、汗や泥やで酷い格好であったが、そんなことを気にしている余裕もない。

幹部の中で最も年齢が下のウィルには、一つの仕事が割り振られるのではなく他の幹部の手伝いという名の多くの仕事が回された。

呼ばれた所に行き指示されたことをする、いわば‘‘雑用’’だった。

「ウィル」

資料を持って走っていたウィルは突然呼び止められる。

「あ…エルヴィン分隊長

どうされました？何か手伝いましょうか？」

走っていた足を止めて、エルヴィンに敬礼をする。

「いや、大丈夫だが…その資料を届けたら休んだ方が良い」

「いえ、皆さんも頑張っているのに私だけ休む訳には行きません！」

疲れ切った顔をしているのにも関わらず、それを拒んだウィルはもう一度敬礼をして急いでシャーディスの元へ向かった。

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「失礼致します」

ノックして、シャーディスのいる団長の執務室に入る。そこには、今日会った幹部の誰よりも疲れ切った表情をしたシャーディスがいた。

「ウィルか…ちょうど良かった

今回の壁外調査の機動班の報告書を夜明けまでに作ってくれ」

部屋に入ってくるウィルの事を確認してすぐに目線は元の位置に戻る。シャーディスの右手にはペンが握られ、その手が止まることは無い。
早く出て行けと言わんばかりに、此方を向くことなく空いた手で紙を渡す。

「…失礼しました」

ウィル差し出された紙を慌てて受け取り、素早く部屋を出た。