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ホークスが宥めるような諭しを、少女は静かに頷きながら聞いていた。
少女が落ち着きを取り戻して、不安にならぬ様に頭を撫でてやり「大丈夫」と声を掛け部屋まで見送った。
その日の取り調べは、ホークスの心内に疑念を取り残したまま切り上げられた。
────一方。
少女が突如として行方をくらました事に、知らぬ所で動揺を抱えていたのは荼毘だった。
一般人から見れば表情や声色、態度にも生活にも何一つとしてそれが感じられるものはないのだが、
長年行動を共にしているヴィラン連合の仲間らにとっては珍しい光景だったという。
「…Aちゃん、全然帰って来ないですね。」
「本当だよなぁ、心配だぜ…、いやいや別にヴィラン連合の仲間っつー訳じゃねぇんだけどよ！」
「荼毘くんもずっとあの調子です。」
「珍しいもんだよなぁ、ホラ見ろよ今日はやけに地団駄が多くてたまったもんじゃないぜ！通算328回！数えてねェけど！」
トゥワイスの人格も荼毘の事を言えたほどではないくらいには、普段よりも多く変わっているのだが、それに自覚症状は無いようだった。
トガは珍しい彼の様子に好奇心と疑念が湧き出て、終始周囲をうろうろとしていた。
死柄木はというと──何ら変わりはない。
落ち着きがあるように見えて、実の所決してそうでは無い荼毘を見兼ねたトガが問いかける。
「…Aちゃんが心配ですか？」
「さァな。」
「繕ってるだけで、全部見え見えです。」
「そうかよ。無駄話ならトゥワイスとでも駄弁っとけ。俺は忙しい。」
「Aちゃんは私たちの仲間じゃありません、お友達として仲良くしてるだけです。無駄話を無駄にしたくないのは本当は荼毘くんの方ですよねぇ？」
トガの微笑みと共に放たれたその言葉に一瞬図星をつかれたように黙った荼毘だが
その先は双方何も言わず、踏み込まず、詮索せず、妙な時間が流れて行った。
その後、単独行動をする荼毘の後をおろおろとしながら見つめるトゥワイスの姿が見られたものの、誰も荼毘の背中に着いていくことはしなかった。
───
「…どこに行きやがった、あの馬鹿。」
荼毘の見解は幾つか立てられていた。
しかし、何処へでも風に流される葉の如く、ふらりと現れては姿を消す自由奔放な少女の事だ。
一概に誰かの手駒にされたとか、別組織に拉致されたとか、そういう風な考えを有力視する事は出来なかった。
荼毘の小さな舌打ちが、森の中に静かに吸い込まれていった。
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黒凛蝶(プロフ) - 霧雨さん» 閲覧、コメント有難うございます！悩みに悩んだ部分でもあるので、そう言って頂けて凄く嬉しいです…！！身体の事までお気遣い感謝します！霧雨さんもどうぞお気を付けて。今後の更新も努めてまいりますので最後まで何卒よろしくお願いします！ (2022年8月18日 8時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
霧雨 - めちゃくちゃこの作品好きです‼‼‼夢主ちゃんの話し方やキャラとの接し方がもう可愛すぎて42ました_:(´ཀ`」 ∠):今後の話も楽しみに待っています！！御身体には気をつけて下さい。最後にこれからも応援しています！！！ (2022年8月18日 0時) (レス) @page29 id: d97116c4b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 凛華さん» 閲覧、コメントありがとうございます！とても励みになります。これからも更新していくので何卒宜しくお願いします…！ (2022年7月28日 13時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - こういうキャラは好み…!! (2022年7月28日 10時) (レス) @page4 id: 77dfc54020 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 秋冬さん» コメント、閲覧有難う御座います！励みになります、更新頑張れます！！何卒よろしくお願いします！！(大声) (2022年1月25日 16時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年6月27日 1時
