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『そうでしょ、マリー。』
少女はマリーを見る。
マリーの顔が動くこと無い。
しかし作られた口角が少女を嘲っているようにも見えた。
幼少の頃からずっと、家族の様な存在だった人形を
初めて恨みを込めた目で見つめた気がした。
悪い言葉や気持ちばかりが喉までせり上がってくる。
吐き出したくなるほどの大量の黒々しい感情の波が押し寄せて、今にも飲み込まれてしまいそうだ。
この人形が消えて無くなったとしたら、自分の個性も消えるかもしれない。
人口の約8割が個性体質になった世界、個性を所持していない者は蔑まれたり、哀れみの目で見られたりする。
しかし、今は、こんな個性さえなければいい、あわよくば無個性になりたいと思ってしまう。
そもそもこの個性はもう私の物なんかじゃない。
マリーという別の物となっているから。
『マリーなんて─…』
"消えちゃえばいい"
そんな言葉を口にしようとした瞬間、首が絞められるような息苦しさに襲われた。
喉がキュッと小さく音を立てて、空気の道を塞いだ。
脳に酸素が回らず、身体が痺れる感覚がした。
首を抑えて膝を着き、息を吸おうと必死になる。
刺客か、新手の犯罪組織かと様々な思考が頭を過ぎる。
兎に角何かに掴まれている、そんな感触が抜けきれず辺りを苦し紛れに見回す。
しかし誰も居ない。
いや、居る。
犯罪組織なんかよりも達の悪いソレが。
『ま……りー…─っ』
《あラ、モうワたシはいらナいノカしラ…？》
《ずっト、ずっと、カぞクでいレルほうがシアワセじゃない？》
《そうでショう？》
首を絞められた時、思わず手放してしまったマリーが道の端っこに寄り掛かるようにしてこちらを見つめる。
脳内に響いてくるようなこの声を否定するように首を振ると、より一層首が絞まった。
声がいよいよ出なくなる。
地面を削るように爪を立てて、歯を食いしばる。
《いルってコタえて？》
《ねェ、おネがイよ。》
最後まで反抗しようと思っていた自分が、そんな戦意を失った。
薄れゆく意識の中で、もう従うしかないと、
共存していかなくてはならないのだから、と。
家族なんだから、と。
『い"…─る、か、ら─っ、も、…はな… 』
《うン。ヨかッタ。》
その途端、急に息苦しさが抜けて喉が開放される。
突然空気が流れ込んでくるものだから、噎せるように咳き込む。
喉が、肺が痛む。
痛い。
『……だいすき、だから。ごめんね、マリー。』
もう＿
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黒凛蝶(プロフ) - 霧雨さん» 閲覧、コメント有難うございます！悩みに悩んだ部分でもあるので、そう言って頂けて凄く嬉しいです…！！身体の事までお気遣い感謝します！霧雨さんもどうぞお気を付けて。今後の更新も努めてまいりますので最後まで何卒よろしくお願いします！ (2022年8月18日 8時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
霧雨 - めちゃくちゃこの作品好きです‼‼‼夢主ちゃんの話し方やキャラとの接し方がもう可愛すぎて42ました_:(´ཀ`」 ∠):今後の話も楽しみに待っています！！御身体には気をつけて下さい。最後にこれからも応援しています！！！ (2022年8月18日 0時) (レス) @page29 id: d97116c4b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 凛華さん» 閲覧、コメントありがとうございます！とても励みになります。これからも更新していくので何卒宜しくお願いします…！ (2022年7月28日 13時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - こういうキャラは好み…!! (2022年7月28日 10時) (レス) @page4 id: 77dfc54020 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 秋冬さん» コメント、閲覧有難う御座います！励みになります、更新頑張れます！！何卒よろしくお願いします！！(大声) (2022年1月25日 16時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年6月27日 1時
