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「さっきのドラッグストア、左側の陳列棚に何置いてあった？」
「何故そんなことを聞くのですか？」
「んー？色々あるんだよ」
「さっきの場所は、毛染めの箱が一式ずらりと」
「ありがと」
突然の質問に疑問と戸惑いがあったが、どうやらこの答えで少し満足しているように見える
何故だろう？
考えていると
〔指──犯…〕
「遠くの方で声がします」
「本当だね」
車が走る音と、放送の様なメガホン越しのエコーの効いた音声
「指名手配の〜」という部分部分が聞き取れた
恐らく、私の真横にいる彼の事だろう
「五条さんのことですね」
「すっかり有名人だよ、参ったねぇ」
まるで芸能人がファンからの熱い言葉に照れる様な反応
現在の位置は橋下から移動して、少し郊外から離れた空き家
家主は居ない古い家だが、一応大家は存在するのだろうか、水や電気は通っている
放置状態なだけで、買われるのを待っているのかもしれない
秘密基地みたい
「それにしても、僕もこのままだとヤバいよね。目立ちまくっちゃってさ」
地毛の白髪を指先で触れながら、「うーん」と唸って首を傾げている
「いっそのこと黒く染めるかな」
一体何時買って、何処から取り出したのかも分からないが、毛染めセットの入った箱が机の上にボンと置かれた
「万引き…？」
「僕お店入れないよ」
余計に謎が増えた
「恫喝…かつあげ、強迫」
「やだなあ、紳士な僕がそんな事するわけないでしょ？野蛮よ」
彼のした罪はそれよりもずっと野蛮である
「…まさか、じゃないですけど…ゴミ捨て場とか」
「そんな事してたら僕とっくに牢屋に入ってるよ」
「空き巣」
「だから、捕まってるって」
彼は私にクイズを出しているらしい
Q.僕はどうやってこの毛染めを手に入れたでしょうか？
一見普通の会話だが普通の会話ではない
「ﾁｯﾁｯﾁｯ─」
タイマーを自分の口で口ずさみながら、ニタニタと笑ってこちらを見ている
「ﾌﾞｯﾌﾞｰ！」
どうやら時間切れな様だけど、この間10秒間しか経っていない
短時間でトリックを暴けるほど、私は凄腕の名探偵じゃない
「正解は簡単だよ。毛染めを買った人に目星を付けておく。出てきた人のビニール袋の中からサッと取って、入れ替える」
「入れ替える？」
「これはゴミ捨て場で拾ったヤツね、開封はされてないから中身はある。恐らく返品が面倒になって捨てた不良品か何かだと思うけど」
瞬時にこの行動を取ったと思うと
少し凄いと思った
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黒凛蝶(プロフ) - 玲奈さん» 閲覧、コメント有難う御座います！とても素敵なお言葉を本当に本当に有難う御座います…思わず泣きそうになってしまいました。背中を更に強く押されたような気がします。どうかこれからも何卒宜しくお願い致します！ (2022年8月8日 23時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!途中からほんとにドラマを見ている気がして…とゆうかこれはもうドラマ化すべきなのでは!?となりました 黒凛蝶様の書く小説は好きな作品が多くて嬉しいです!これからも応援してます! (2022年8月8日 4時) (レス) @page50 id: d602917972 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - うぇいさん» コメント、閲覧ありがとうございます！そう仰っていただき作者の目頭が熱くなりました…。読んで頂き本当本当に感謝です！ (2022年1月6日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - とても素敵な作品。終盤の展開に目頭が熱くなった (2022年1月6日 19時) (レス) id: daba836190 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - おまるさん» コメント、閲覧ありがとうございます！おまるさんの楽しみとなれる作品を作れて作者は本望です…！今作は完結してしまいましたが、またの機会がございましたら何卒作者をよろしくお願い致します (2021年6月27日 1時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年4月16日 20時
