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辺りは既に真っ暗で、窓からは近隣の住宅の電気が消えていく光景が目に映った
時計の針は夜中の12時を指していて、そろそろ寝るのに良い頃合いと見て私は寝支度をした
「もう寝るの？」
「はい、もう12時なので」
「じゃあ僕も寝ようかな」
「ベッドはこっちです」
「あれ、なんで布団敷いてあんの？」
「さっき説明しました」
「あの事まだ気にしてんの？！嘘だって言ったじゃん！ねぇ一緒に寝ようよ」
五条さんは駄々をこねる子供の如く頬をふくらませてベッドを指さしている
「弱りましたね…」
「だめ？どうしてもだめ？」
そんなにしてまで私と寝たいのだろうか
一体なぜ…
私の中では隣で寝たくない、というよりも寝たらネタにされかねないという不安が頭の中に渦巻いていた
その決定的証拠となっているのは五条さんが今背中に隠している携帯
どんな目的で使うかは定かでないが、便利なものも時には狂気となる
あの危険物資を先ず五条さんから離させなければならない
尚更寝るのが不安になってきた
「綺麗なお顔でおねだりされてもそうはいきません、見えてますからね。背中の後ろに隠れている携帯が。私には見えてます」
「バレたか」
「バレバレです。はい、布団で寝ます」
私が布団の中に入り五条さんに背を向けて横になると
「えぇ…じゃあ僕も布団で寝る」
と言って、布団の中に潜り込んできた
「えっ」
「おやすみ〜」
私が持っていたはずの電気のリモコンは既に手元になく、五条さんの枕元にあった
部屋は暗い中オレンジ色のぼんやりとした色の空間に包まれていた
「…A」
「はい」
「僕がいない間寂しくなかった？泣いたりしなかった？」
「…してません」
「なんかショック〜…僕は毎日寂しかったのに」
「………ちょっとは」
「あ、はいた」
「ちょっとです」
「強がんなって」
「まぁまぁ…」
「まだ意地はってる？」
「………」
私は図星をした
本音を言うと辛くてずっと泣きそうになっていた
勉強が辛かったわけじゃない
確かに生活の為にアルバイトを何個も掛け持ちして、働いて、夜は徹夜で勉強しての繰り返しで体力も限界に近かったし
何より、私が弁護士になれなくて五条さんに会えなかったら
別の弁護士の人がついて、五条さんが有罪になって会えなくなってしまったら
もう二度と会えなくなったら
毎日夜になると、この気持ちで頭がいっぱいになって
泣きそうだった
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黒凛蝶(プロフ) - 玲奈さん» 閲覧、コメント有難う御座います！とても素敵なお言葉を本当に本当に有難う御座います…思わず泣きそうになってしまいました。背中を更に強く押されたような気がします。どうかこれからも何卒宜しくお願い致します！ (2022年8月8日 23時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!途中からほんとにドラマを見ている気がして…とゆうかこれはもうドラマ化すべきなのでは!?となりました 黒凛蝶様の書く小説は好きな作品が多くて嬉しいです!これからも応援してます! (2022年8月8日 4時) (レス) @page50 id: d602917972 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - うぇいさん» コメント、閲覧ありがとうございます！そう仰っていただき作者の目頭が熱くなりました…。読んで頂き本当本当に感謝です！ (2022年1月6日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - とても素敵な作品。終盤の展開に目頭が熱くなった (2022年1月6日 19時) (レス) id: daba836190 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - おまるさん» コメント、閲覧ありがとうございます！おまるさんの楽しみとなれる作品を作れて作者は本望です…！今作は完結してしまいましたが、またの機会がございましたら何卒作者をよろしくお願い致します (2021年6月27日 1時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年4月16日 20時
