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「被告人が法廷に入ります」
その言葉がする方向へ目を向けると
私が知っている五条さんがいた
泣きそうになる
早く、早く言いたい
貴方を迎えに来ましたって
待たせてごめんなさいって
その込み上げる言葉と気持ちを一気に呑み込んで、裁判は幕を開けた
その裁判は数週間に及んだ
裁判の間、五条さんは私に対して一言も発することは無かったけれど
時折視線があって、目を細めるから
それだけで少し心が安心した
─────────────────
そうして判決の日。
私の心臓は法廷に入ったあの日の様にうるさく脳に響いていた
「被告人は──」
私の出来る限りは尽くした
無罪で終わって欲しい
一級殺人で死刑なんて判決は聞きたくない
神にも縋る思いで、心の中で祈る
「住居侵入罪のみの、事件に関しては無罪とする─」
住居侵入罪は三年以下の懲役、又は十万円以下の罰金
それ以外は無罪─…！？
私は五条さんの方に向き直る
五条さんはポカンとしたまま瞬きを数回してこちらを見た
また一緒に生活出来ること
またどこかに出かけられること
また隣で歩ける
また笑う顔が見れる
また手を繋げる
私の足は五条さんの方向へと自然に進んでいて
気が付けば五条さんに抱き着いていた
「…迎えに来ました…っ…！」
「は、ははっ…君、ほんと、イカれてるよ、良い意味でね」
「ごめんなさい、遅くなりました…」
「遅いよ、ずっと待ってた。……嘘、早いくらいだよ」
「白馬の王子様が迎えに来たみたいですか？」
「普通逆なんだけどね？サラブレッドのこの僕が正に白馬の王子様なんだけどね？……でもまぁ、今日はお姫様にでもなってみる？」
「今日はヒールなのでお姫様抱っこ出来ません、またの機会でいいですか？」
「君もヒールを履く歳頃になったのかぁ…ガラスの靴じゃなくて残念」
「割れたら危ないです」
「確かにね。ま、僕はヒールとか関係ないから今ここで君をお姫様抱っこ出来るよ。どう？やってみる？」
五条さんは相変わらずニヤついた顔で、私の頭を撫でる
身長も、眼の色も、髪は染めてたのがバレたのか白く戻って、
違うといえば、服装くらいだ
「それは駄目です、恥ずかしいので」
きっぱりそこは断っておく
そして私は例のものを取り出した
「五条さん」
「ん？」
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黒凛蝶(プロフ) - 玲奈さん» 閲覧、コメント有難う御座います！とても素敵なお言葉を本当に本当に有難う御座います…思わず泣きそうになってしまいました。背中を更に強く押されたような気がします。どうかこれからも何卒宜しくお願い致します！ (2022年8月8日 23時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!途中からほんとにドラマを見ている気がして…とゆうかこれはもうドラマ化すべきなのでは!?となりました 黒凛蝶様の書く小説は好きな作品が多くて嬉しいです!これからも応援してます! (2022年8月8日 4時) (レス) @page50 id: d602917972 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - うぇいさん» コメント、閲覧ありがとうございます！そう仰っていただき作者の目頭が熱くなりました…。読んで頂き本当本当に感謝です！ (2022年1月6日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - とても素敵な作品。終盤の展開に目頭が熱くなった (2022年1月6日 19時) (レス) id: daba836190 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - おまるさん» コメント、閲覧ありがとうございます！おまるさんの楽しみとなれる作品を作れて作者は本望です…！今作は完結してしまいましたが、またの機会がございましたら何卒作者をよろしくお願い致します (2021年6月27日 1時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年4月16日 20時
