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牢に入れられて、数週間が経った
格子越しの景色に変わり映えはないが、牢内で唯一の変化といえば
天井付近の小窓のような格子から差し込む太陽の光と反射の具合ぐらいだ
実際日本の刑務所は静かな方で安全だ
布団もあるし、机もある。灯りも御手洗も綺麗で食事も映画で見るような
金属の皿にドロドロの飯─のようなものでもない
もっと騒がしいものだったら、現実味もなくなるだろう
オレンジ色の囚人服で、乱闘、売買、監視官の買収、脱獄、殺人…その他犯罪行為多数
牢という償いの場で、相反する行いがあちらこちらで鉄格子と肌がぶつかり合う音と共鳴する
そっちと比べれば日本は穏やかな方だと体感するが、一つ、海外とはまた別に秀でているものがあると思った
それは何か
"孤独さ"だ
この所には確かに、何人もの囚人がいる筈だ
けれど、騒がしい物音一つ、ましてや人が行動する足音一つ、ほぼない
無声に近い
決められた時間に、決められた行動をする
そこで一度顔を見合わせる程度で、大半は無言だ
気が可笑しくなりそうだ
この独房は、閉鎖空間に特化している
本当に、孤独だ
話す気すら失せる
けど、話してないと気がおかしくなる
そんな天秤が揺らいでいる
地面に埃もない、石もない
暇を持て余す手立てもない
暇なんて言ったら拙いんだろうけど
「五条悟」
先程まで牢の近くで見張りをしていた監視官がツカツカと足音を響かせながら自分の牢の前で足を止めた
一体なんだ？
「？」
「お前宛に手紙が届いている」
「僕宛てに手紙？」
「受け取れ」
「アンタに手渡し？それとも郵便？」
「手渡しだ」
疑問を抱きつつ、手紙を受け取るが
どこを見ても、誰が書いたのか書いていない
裏も表も中身にも、名前のような記載がない
誰が書いた…？
未来の傑とか？タイムカプセルかなんか？
ド○えもんかよ
「…差出人が書いてないんだけど…手渡しってどんな奴が来てたんですかね？」
「女子高生だ」
ああ…Aか…！
「ありがとうございます…っと…」
監視官が立ち去り、改めて手紙の内容に目を向けた
【 五条さんへ 】
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黒凛蝶(プロフ) - 玲奈さん» 閲覧、コメント有難う御座います！とても素敵なお言葉を本当に本当に有難う御座います…思わず泣きそうになってしまいました。背中を更に強く押されたような気がします。どうかこれからも何卒宜しくお願い致します！ (2022年8月8日 23時) (
レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!途中からほんとにドラマを見ている気がして…とゆうかこれはもうドラマ化すべきなのでは!?となりました 黒凛蝶様の書く小説は好きな作品が多くて嬉しいです!これからも応援してます! (2022年8月8日 4時) (レス) @page50 id: d602917972 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - うぇいさん» コメント、閲覧ありがとうございます！そう仰っていただき作者の目頭が熱くなりました…。読んで頂き本当本当に感謝です！ (2022年1月6日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - とても素敵な作品。終盤の展開に目頭が熱くなった (2022年1月6日 19時) (レス) id: daba836190 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - おまるさん» コメント、閲覧ありがとうございます！おまるさんの楽しみとなれる作品を作れて作者は本望です…！今作は完結してしまいましたが、またの機会がございましたら何卒作者をよろしくお願い致します (2021年6月27日 1時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2021年4月16日 20時
