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ある事件によって亡くなったご友人の仇を五条さんが
「ある事件…って」
「…そのある事件の犯人がここに居るよ」
「えっ」
「まぁ詳しくは、犯人に仕立てられてる…ってのかなぁ」
「僕が強盗殺人の疑い掛けられて追われてるんだよ」
「殺したのは五条さんではないんですよね…?」
「うん」
「じゃあなんで、」
「何なんだろうね、僕もちょっとパニックでさ…本能のままに動いてたら、こうなっちゃってて」
「ちゃんと考えてはいるよ、後先のことくらい」
無罪かつ冤罪である事件に五条さんも最悪の状態で巻き込まれてしまっている
真犯人が居るはずなのに、世間も警察もその事は知らない
五条さんに全ての罪を追わせるべく、誰かが動いている
ご友人が亡くなった理由は、何が原因なんだろうか
何故よりにもよって友人を選んだのか
五条さんに恨みでもあったのか
「僕はこの街で、その友人から伝えられた言葉を糧に探し物をしてるんだ。埋めてあるのか何なのか分かんないけど…」
「言葉…?」
「その言葉もさ、ちょっと分かんなくて…考えても、宝物みたいなイメージじゃないんだよね」
「暗号的な言葉なんですか…?」
「いーや?普通の会話みたいなもんだよ、○○して〜みたいな」
「確か……"悟、君が助けてあげて欲しい"ってさ。どう考えても僕に誰かを頼んでる。なんで神奈川なのかも謎だし…」
「心当たりは…?ご友人が言っていた会話の中にこの話題が多く出てきてたとか…」
「ん〜………」
「…あと、五条さん」
「んー…?」
「やらなきゃならない事って一番最初から仰ってましたけど…さては今の今まで分からぬまま取り敢えず現地到着を目指していましたか…?」
「いやぁ?そーんなことないけど?」
「はっきり仰ってください」
「…五分五分…」
「やらなきゃならない事ってのは薄々理解しつつ、警察の手から逃げる為に、逃走路で目的地を目指せたらなぁって…」
軽く笑いながら話を進める五条さんだが、時折見せる苦しそうな顔が目に映る
「…共犯で良かったです」
「なんで」
「五条さん、不器用だから」
「え、そんなことないよ?全てを完璧にこなせる天才だけど?」
「…しばらくこのままでいさせてって言ったの忘れませんから」
「その節は忘れて」
「いやです」
「信じられる方を選べってよく言われてたので、五条さんとは一緒にいたいです」
「…信じられる方を選べ……?」
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黒凛蝶(プロフ) - 玲奈さん» 閲覧、コメント有難う御座います!とても素敵なお言葉を本当に本当に有難う御座います…思わず泣きそうになってしまいました。背中を更に強く押されたような気がします。どうかこれからも何卒宜しくお願い致します! (2022年8月8日 23時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!途中からほんとにドラマを見ている気がして…とゆうかこれはもうドラマ化すべきなのでは!?となりました 黒凛蝶様の書く小説は好きな作品が多くて嬉しいです!これからも応援してます! (2022年8月8日 4時) (レス) @page50 id: d602917972 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - うぇいさん» コメント、閲覧ありがとうございます!そう仰っていただき作者の目頭が熱くなりました…。読んで頂き本当本当に感謝です! (2022年1月6日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - とても素敵な作品。終盤の展開に目頭が熱くなった (2022年1月6日 19時) (レス) id: daba836190 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - おまるさん» コメント、閲覧ありがとうございます!おまるさんの楽しみとなれる作品を作れて作者は本望です…!今作は完結してしまいましたが、またの機会がございましたら何卒作者をよろしくお願い致します (2021年6月27日 1時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒凛蝶 | 作成日時:2021年4月16日 20時