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Aside
虎「怒った俺、怖かった?」
『えっ?怖かったって?』
唐突な質問に、吃驚して思わず聞き返してしまった
虎「伊澄、俺に怒られたいってずっと言ってたじゃんか。俺伊澄の親父さんに凄い態度とっちゃったしさ、キレちゃったし」
虎「少し気になって」
そういう事か…
あの時は場も場で凄くピリついてて、チクチク肌が痛むくらいに
虎杖君のあの目を向けて欲しいっていう前までの思いは確かにあったけど
ちょっと怖かった、今にも殴りかかりそうなだったから
『…怒った虎杖君、ちょっと怖かった』
虎「ごめん?!」
『違う違う!!そうじゃなくて…ちょっと考えたの。ずっと怒られたい怒られたいって言ってたけどさ、本当にキレる虎杖君を見ることはこの先無い位の思いで土下座してたから』
『だから、マジもんを見た時に少し吃驚して、本当に喧嘩してこうなったら嫌われちゃうんじゃないかって』
『けど、私は虎杖君に怒られたいよ、変わんない。チョップくらいかまして、何時でも』
未だに、本当に思っていることを口にするのは慣れない
慣れることは無いだろうけど、どうしても言葉を躊躇する
選び方も下手くそだ、でもきっとそんなもんなんだ
上手くなることなんてない
それでも不器用なりに話していく
そうでなければ、伝える意思さえ伝わらない
誤解だけは避けたいけど
虎「俺、伊澄の事嫌いになんないよ、絶対。でも、伊澄にちょっと怒りたいことがある」
『ん…?』
彼は私に近づいて頭にチョップをした
痛みを感じる程ではなかったが、彼が自分から怒ると言った事はなかったと思う
私が強制をした時に「今から怒ります!」と宣言させた時以来だろう
何を怒るのか、疑問に思っていると
私の目線に腰を下ろして、じっとこちらを見つめた
虎「あン時…親父さんに世継ぎの為だとか言われた時、一人で解決しようとしたっしょ」
『……あっ…』
虎「何でも、一人でやろうとしなくていいんだよ。俺を頼ってよ」
虎「大丈夫って色んな意味があるって先生が言ってたよ。人を安心させる大丈夫、自分の本当の気持ちに嘘つく大丈夫、断る大丈夫、励ます大丈夫。でも言葉ってムズいから全部は分かんねぇけど…」
虎「俺、頑張ってAに寄り添える良い彼氏になるよ」
虎「叱れる彼氏にもなるよ、だからなんかあったら俺に言って!一番最初に!俺一番じゃなきゃ嫌だ」
『分かった…!私も頑張る!』
虎「応!」
『…怒ってくれてありがとう』
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黒凛蝶(プロフ) - 海 於さん» コメント、閲覧ありがとうございます!!そう仰って頂き作者感激の嵐です…本当に本当にありがとうございます! (2022年1月9日 23時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
海 於(プロフ) - もうとても最高でした … 🥲💞 (2022年1月9日 23時) (レス) @page50 id: 1c379a9e78 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - さきさん» コメント、閲覧有難うございます!更新の励みになります…好きと言って頂けてとても嬉しいです!最後まで何卒よろしくお願いいたします (2021年8月25日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
さき - 虎杖くんがイケメンすぎて、眩しいです(笑)この小説かなり好きです!! (2021年8月25日 6時) (レス) id: 4ac7fe361f (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 睡眠時間さん» いえいえ!こちらこそ、時間を割いてコメントをして頂き本当にありがとうございます…自分は伏黒君が最推しです。虎杖君バシバシ恋愛要素に向けていきたいと思うので宜しくお願いします…! (2021年8月3日 20時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒凛蝶 | 作成日時:2021年7月22日 0時