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Aside
七「向かいましょう」
『えっ!?』
普段、定められたスケジュールをその通りにこなし、定時には任務を遂行出来るよう
大きな変動を生み出すことは無い七海さんが、時間と日程を大幅にズラす行動をとるのは驚きである
『何故ですか?』
七「この路地裏が呪霊の溜まり場になる根本の原因が虎杖君の場所です。そして、この路地裏に呪霊の気配は一切ない」
七「寧ろ、あちら側に全てが集約されています。ですので、手っ取り早く終わらせようかと」
『な、なるほど…』
七「少し走りますが、大丈夫ですか」
『はい!いけます!』
七「では行きましょう」
───────・・・
しばらく路地を走り回ると、お目当ての場所に辿り着いた
2級と4級が居ることは話に聞いている為それ相応の気配も分かるが、路地裏に居た物まで引き寄せられているせいか、明らかに数が多くなっている
先輩と虎杖君が心配だ
建物内に入ると、階段が近くにあり上層階から衝突音のような物が辺り一帯に反響している
自然と私の足のペースも焦りと共に速くなり、そんなにない体力を階段で消耗することとなってしまった
調子に乗って2段飛ばしで駆け上がったのが悪かった
6階に着く頃には息があがって、今にも太腿が痙攣を起こしそうだ
七海さんはスマートに昇っていくも、背中を少し見れるので精一杯
何より段差が高めなのが地味にきつい
体力つけなきゃな、と思いつつ根性で階段を駆け上がる
どんどん近づいてくる音を確認しつつ、直接地面から響いてくる所まで到達した
恐らくここが戦地
『な、七海さ、はーっ、あの、こ、こっ…ちょ…無理、はー…』
膝を台の代わりにして手を付き息を整える
七「行きますよ」
『……っはい…!』
周囲を見渡しつつ、音のする方へと歩を進める
度々聞こえる轟音に胸が騒ぐ
早くサポートに回りたいという思いが加速して、冷静になれずにいる
七「…!彼処です、定時には終わらせます」
『タイムカード制!?』
七「時間外労働は好きでは無いので」
『了解です!!』
角を一気に曲がり、目の前を見ると呪霊がざっと数体虎杖君と狗巻先輩に絡んでいる
彼等がここに来て既に3時間は経っているはず
体力もヤバいだろうに
『直ぐに援護を!!』
七「伊澄君は虎杖君を、私は狗巻君に付きます」
『はい!』
七海さんは私を横切り、懐から何時もの武器を取り出した
『かっけ…─じゃなくて、
悠仁っっ!!!』
虎「っえぇ?!伊澄ぃ?!」
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黒凛蝶(プロフ) - 海 於さん» コメント、閲覧ありがとうございます!!そう仰って頂き作者感激の嵐です…本当に本当にありがとうございます! (2022年1月9日 23時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
海 於(プロフ) - もうとても最高でした … 🥲💞 (2022年1月9日 23時) (レス) @page50 id: 1c379a9e78 (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - さきさん» コメント、閲覧有難うございます!更新の励みになります…好きと言って頂けてとても嬉しいです!最後まで何卒よろしくお願いいたします (2021年8月25日 21時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
さき - 虎杖くんがイケメンすぎて、眩しいです(笑)この小説かなり好きです!! (2021年8月25日 6時) (レス) id: 4ac7fe361f (このIDを非表示/違反報告)
黒凛蝶(プロフ) - 睡眠時間さん» いえいえ!こちらこそ、時間を割いてコメントをして頂き本当にありがとうございます…自分は伏黒君が最推しです。虎杖君バシバシ恋愛要素に向けていきたいと思うので宜しくお願いします…! (2021年8月3日 20時) (レス) id: e6bcf3a4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒凛蝶 | 作成日時:2021年7月22日 0時