壱 ページ2
その昔─、神話として語り継がれる書物に
"
呪いそのもの、正に両面宿儺とも差のない程の特級だ。
その禍々しい醜悪な物は地に根付き、殺戮を繰り返し、血の海へと人類を呑み込んだのである。
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Aside
─長い…
お仕事、多い、外、暗い
《月夜の下で、静まりかえるその場所に少女は人を待っていた》
『五条さん、忙しい』
《立つことに疲れ、しゃがみ込むと馴染みのある声が直ぐに聞こえて来た》
五「ごめんごめん〜…!遅くなっちゃった」
《軽い声で歩み寄る、この男。五条悟と言う。》
『長引いた』
五「そうそう、もう大変でね〜…。あ、そうだ見て見て、これ!」
『…?』
《徐ろに腕に吊るしていた紙袋から取り出したのは和菓子。》
五「喜久水庵、喜久福!仙台名物の要!ずんだ生クリーム入なんだよねぇ…これがまた絶品でさぁ!」
『新しい』
五「Aに見せるのは初めてかな、多分。恵にはよく口に突っ込んだけど」
『黒、黒の所行かなくて大丈夫…?』
五「あ〜。さっき電話掛かってきてたんだよね、特級呪物の両面宿儺の指が百葉箱から消えてたんだって」
《すくりと立ち上がり現場へ向かおうとするAを引き止め》
五「心配性だねぇAは。恵なら大丈夫だよ〜」
《五条はやんわりと応える》
『特─…
─ッ…!』
《その瞬間、憎悪の様な歪な尋常ではない呪いの塊をAは感じた》
五「何、どうしたの? ─…。」
《察知した気配の重圧》《五条は理解した》
五「はぁ…大変な事に巻き込まれてる感じかな〜…?仕方ない、大事な生徒を助けに行きますか!」
五「よしよし、この五条先生が何とかしてみせましょう」
《ポンと頭に手を乗せ、闇にふっと2人の人影が溶けた。》
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作者名:黒凛蝶 | 作成日時:2020年11月22日 0時